■東京ディズニーランドわきの「富士山ポイント」
一方、橋から4.5キロほど離れた舞浜(千葉県浦安市)には、東京ゲートブリッジと富士山の両方を大きく写せる海岸遊歩道がある。
「東京ディズニーランドのすぐとなりです。橋をいい角度から写せるうえに、富士山ともからめやすい。富士山と橋を完全に重ねて写せる『富士山ポイント』もあります」
そこから三日月を入れて橋を写した作品は凛とした静寂感があり、奥にはうっすら富士山の姿が見える。
ちなみに、富士山頂に夕日が沈む「ダイヤモンド富士」を展覧会に間に合わせようと、この場所へ撮影に出かけたが、「曇っていてダメでした。またのチャンスをねらいます」。
さらに橋から南にずっと離れた羽田空港から写した作品もある。
「虹の写った写真は羽田空港第2ターミナルの展望デッキから超望遠レンズで引っ張ったものです。ぼくは飛行機も好きで、虹と飛行機を撮りたいと思って、夕立がありそうなとき、空港に行くんですけれど、ちょうどいいタイミングで橋に虹がかかってくれました」
対照的に、鉄橋の一部をアップで写した作品は橋の上から撮影したもの。鉄骨の奥に小さく飛行機が写っているのが服部さんらしい。
「橋の上にウオーキングスペースが設けられていて、この写真はそこを歩きながら写したものです。若洲海浜公園側の昇降施設から訪れることができます」
冒頭でふれた海の森水上競技場の跡地周辺は現在、「海の森公園」として整備中で、3年後の開園が予定されている。
服部さんは「今後、朝日をからめて橋を撮るにはいい場所になるでしょう」と、期待する。
ちなみに、「Bridge」というタイトルは、竹内さんのゼミ生だったときの卒業制作のタイトルでもある。
「これからも、このタイトルを引き継いで、作品を発表し続けていきたいと思います」
(アサヒカメラ・米倉昭仁)
【MEMO】服部考規写真展「Bridge」
竹内敏信記念館・TAギャラリー 1月6日~1月26日