
学校に行きたくないときは、行かなくていいよ、とか。「なんで学校に行かないといけないのか」と考えてしまう子どもだったので。そんなとき、ドライブに連れて行ってくれたり、カラオケに行ったり、お好み焼きを食べたり……一緒にさぼってくれました。そうすると、不思議と「明日は学校に行ってみよう」と思えるようになってました。
――それが今の育児に生きているんですね。
育児セラピストの講習を受けて知ったんですが、子どもに対して厳しくしすぎて愛情が子どもに届かないと、逆に自立が遅くなるということもあるそうです。ぼくは愛が溜まったから、高校を卒業してすぐ、親の元を離れて上京できた。
愛がたっぷり溜まったから、自分に自信ができたし、夢が持てたし、行動力がついて外に出ていけた。外に愛を振りまけるし、素敵な人たちと出会えたし、仕事に活きて、良い循環ができていった。だから、自分の子どもには、愛をしっかりと伝えていきたいなと思っています。
――育児に悩んでいる人にアドバイスはありますか。
一番楽な方を選んで良いと思っています。何をしても無理なとき、ダメなときってありますよね。そういうときは「今日は諦めようか」って言ってもいいと思います。そのときに、「明日はできるようにしようね」、とか、「次は頑張ろうね」としっかりと伝えておく。するとうまくいったりするんですよね。
サボるってことには親のほうが抵抗感があるんですよね。でも、ちょっと怒っているとか、ぴりぴりしているとか、子どもに伝わるんですよね。そうなるくらいなら、「パパも大変だから、今日はやめようか」って言ったほうがいいかな。愛で終われるから。いつもサボっていたらさすがにダメだけど、月に1回とか、家族で話し合ってさぼればいい。
ぼくもいつもできているわけじゃないけど、愛で終われるのが大事だと思います。
(聞き手/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)