陛下が常にコロナ禍を懸念し、心をくだかれていることがわかる。
「日頃から、雅子さまも急を要する場合は、宮殿が使えるのではないかと陛下とお話しになっていたそうです。新御所もなるべく質素なインテリアをと望んでおられて壁飾りも少ない。お出ましになる機会は減りましたが、ワクチンも打たれて、とてもお元気なご様子です」(雅子さまの知人)
天皇ご一家にとって、この夏に感動したことの一つに東京五輪・パラリンピック大会に出場した選手たちの活躍があった。
引っ越しの準備の合間を縫って、熱戦が続く競技のルールや見どころ、競技結果の報道をご覧になったという。侍従次長の会見でも、「パラリンピックに出場する選手が喪失感や絶望感を味わったり、差別やいじめを経験したりするなど、厳しい状況に置かれつつも懸命にスポーツに向き合ってきたという報道にも両陛下はご関心をされている。パラリンピアンたちが東京パラリンピックという大舞台に立っていることを感慨深く思われているご様子」と伝えられた。
最終日5日のパラマラソンには、2018年に陛下が伴走された道下美里さんらが日本代表選手として出場するため、ご一家で楽しみにされているという。
愛子さまは、競技後に選手たちが国を越えて、まるで自分のことのように喜び合う姿をご覧になり、感動されたそうだ。
陛下(61)も4歳の時、東京五輪(1964年)の閉会式をご両親である現在の上皇、上皇后夫妻とご覧になって、各国の選手が混ざり合いながら行進する姿に感銘を受けられたという。愛子さまもまた両陛下とご覧になった選手たちの姿から、世界の平和を願う気持ちを深められたに違いない。(ジャーナリスト・友納尚子)
※週刊朝日 2021年9月17日号