東京パラリンピックは8月26日、車いすバスケットボールの男子が始まり、1次リーグA組の日本はコロンビアと対戦する。AERA2019年12月9日号で力強く語ったエース・香西宏昭のインタビューを紹介する(肩書きや年齢は当時)。
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車いすバスケットボール男子日本代表のエース香西宏昭は、目を輝かせて口を開いた。
「(プレーの)スピードは、今までの人生の中で一番。アジリティーも。動く速さが前より上がっています」
アジリティーとは敏捷性。右に左にフェイントをかける速さや、進む方向を瞬時に変えるチェアワークなどが、以前より素早くできるようになった自覚がある。健常者のアスリートよりも選手寿命が比較的長いとされるパラスポーツにあっても、31歳という年齢は決して若くはない。
過去最高の体を作り上げるため、今季は6シーズンを過ごしたドイツから日本に戦いの場を移した。代表でも所属チームでもポイントゲッター。高さのある欧州のリーグでプレーすることはスキルアップにメリットはある。
「でも、それ以上に必要だと感じたのはフィジカルの向上なんです。ドイツにいれば試合が続くので、心肺機能や体力向上のトレーニングをやり切れない。日本ではその時間を設けられるので、トレーナーさんとやってきた成果が出てきている」
フィジカルにこだわるのは、日本代表がスピード勝負の平面のバスケットでメダルを目指しているから。ディフェンスで40分間オールコートのプレスを続けられる体力とスピードをつけなくてはいけない。トルコ、イランといった強豪国に勝利し、メダルの端っこも見えてきた。
自身のプレーヤーとしてのキャリアより、パラリンピックにこだわる。
(ライター・島沢優子)
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■車いすバスケットボール
障害の程度が重い人から1.0~4.5点(0.5点きざみ)と持ち点が与えられ、同時にプレーする5人の合計を14.0点以下にしなくてはいけない。リングの高さ、ボールやコートのサイズは一般競技と同じだが、2プッシュ以内につき1ドリブルをしなければトラベリング、ダブルドリブルがないなど独自のルールがある。
※AERA2019年12月9日号に掲載