
自分に必要な老後資金を把握できたら、貯金以外でゆっくりお金を蓄えよう。AERA 2021年7月5日号では、年齢別に投資信託に積み立て投資したシミュレーションを紹介。
【年齢別・複利運用 40代、50代のシミュレーションはこちら】
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ねんきんネットに登録して自分の将来の年金がわかった。老後の支出もなんとなく計算できた。ざっくりと不足分が判明したら、次のステップは「どうやって工面するか」だ。
定年後も働いて稼ごうという発想もあるが、それは健康であることが大前提で、アテが外れてしまう可能性もある。
まずは自分自身よりも、お金に働いてもらうことを第一に考えよう。ただ、今の時代は預貯金にお金をプールしても、いっこうに増えない。ゼロ同然の金利なので、毎月5万円ずつ貯蓄したとして、10年で600万円+小銭にとどまる。
これに対し、5万円ずつ投資信託(以下、投信)に積み立て投資を行って5%の運用利回りを達成できれば、前述と同じ投入額で780万円まで増やせる。投信なら預貯金より高い運用利回りを期待できるのに加えて、大きな複利効果が働くこともメリットとして挙げられる。
■複利で積み立てる
複利効果とは、得られた利益を次の投資にあてて元金を増やすことを繰り返し、より高い運用利回りが実現されていくというもの。運用利回りが高いものほど、複利効果も大きくなる。
一般的にネット上で検索できる投信のデータは、騰落率やトータルリターンが表示されるだけのケースが多く、複利効果を踏まえた現実的な積み立て実績がわかりづらい。そこで、SBI証券で投資信託やiDeCoの推進を担当する村松紋佳さんに、複利をきかせたシミュレーションを作成してもらった。
具体的には、30代スタートなら毎月3万円ずつ積み立て、4%運用を30年間もしくは6%運用を25年間続けると2千万円超に到達する。40代の場合は毎月5万円ずつ、3%運用を25年間もしくは5%運用を20年間。時間的猶予が限られてくる50代の場合は毎月7万円ずつ、2%運用を20年間もしくは6%運用を15年間で2千万円に手が届く。