いがぐり頭の若者を、こんなに好きになると思わなかった。「愛の不時着」と人気で肩を並べる「梨泰院クラス」の舞台を新型コロナで行きたくても行けない今、現地ライターが歩いた。AERA2020年10月26日号の記事を紹介する。
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曲がったことが許せない。たとえ友人だろうと警察だろうと、納得いくまで筋を通す──。
現在ネットフリックスで配信中の韓国ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」は、真っすぐな性格のいがぐり頭の主人公が仲間とともに成り上がっていくストーリー。日本でも大ヒットし、「愛の不時着」同様、新たな韓流ドラマブームを巻き起こしている。筆者が今年3月から留学している本場・韓国では今年初めにケーブルテレビ局JTBCで放送され、話題になった。
ドラマが人気になれば、そのロケ地も注目されるようになるのは、日本も韓国も同じ。舞台となった街、梨泰院を中心とするソウル市内を旅してみたくなるが、コロナ禍で日本から行くのは難しい。そこで今の梨泰院はどうなっているのか、留学中の筆者がナビゲートしよう。
六本木のような街並み
まずは、簡単にドラマのあらすじから。
パク・ソジュン演じる主人公パク・セロイは、巨大飲食企業・長家(チャンガ)の会長と息子によって父を殺され、セロイも殺人未遂の罪で服役する。刑期を終えたセロイはやがて、父の仇討ちを胸に、ソウルの飲食店激戦区である梨泰院に小さな居酒屋を開き、仲間とともに長家に挑むという青春群像劇だ。単純な復讐モノではない。恋愛や格差社会を生きる若者たちの苦しみをも描く濃すぎるストーリーに、ハマる人が続出している。
梨泰院周辺はバーやクラブの他、大使館やインターナショナルスクール、高級ホテルなどがあり、外国人や芸能人が多く暮らす高級住宅街としても知られている。日本で言えば東京・六本木のような場所だ。
ドラマで印象に残るのが、Nソウルタワーの見える歩道橋だ。