※写真はイメージです(GettyImages)
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三浦崇宏(みうら・たかひろ)The Breakthrough Company GO代表取締役PR/CreativeDirector博報堂・TBWA\HAKUHODOを経て2017年独立。社会のあらゆる変化と挑戦にコミットすることをミッションにGOを設立。日本PR大賞・CampaignASIA Young Achiever of the Year・ADfest・フジサンケイグループ広告大賞・グッドデザイン賞カンヌライオンズクリエイティビティフェスティバル・ACC賞クリエイティブ・イノベーション部門グランプリ/総務大臣賞など受賞。現在はクリエイティブの力で企業の新規事業開発やスタートアップのブランディング、政策支援活動に領域を拡大。『表現を作るのではなく、現象を創るのが仕事』が信条
三浦崇宏(みうら・たかひろ)
The Breakthrough Company GO代表取締役
PR/CreativeDirector
博報堂・TBWA\HAKUHODOを経て2017年独立。社会のあらゆる変化と挑戦にコミットすることをミッションにGOを設立。
日本PR大賞・CampaignASIA Young Achiever of the Year・ADfest・フジサンケイグループ広告大賞・グッドデザイン賞
カンヌライオンズクリエイティビティフェスティバル・ACC賞クリエイティブ・イノベーション部門グランプリ/総務大臣賞など受賞。
現在はクリエイティブの力で企業の新規事業開発やスタートアップのブランディング、政策支援活動に領域を拡大。
『表現を作るのではなく、現象を創るのが仕事』が信条


人脈なんてクソだ。

 一般の広告代理店は課題解決のプロだが、ぼくらが立ち上げたGOは事業成長のパートナーになる。立ち位置が、目指す場所がそもそも違う。

 作るのはCMだけじゃない。その事業を進めるのに最適な組織を作ったり、事業展開のアイデアを出したり、会社の名前や人事制度を考えたりもする。

 なぜそこまでするのか? 彼らは社会の変化を察知して「変わりたい。変わらなければ」という想いを胸に、ぼくらGOの門を叩いてくれるからだ。

 ぼくらは全力でそれに応えたい。「いいから行けよ」といういつもの口癖を、500万倍くらい丁寧に、大声で叫び続けたい。

 GOのクライアントに対するスタンスと、ぼくが『人脈なんてクソだ。変化の時代の生存戦略』を通して皆さんに伝えたいことの根っこは、だいたい同じだ。変化の本質を把握し、凝り固まった旧来の発想にとらわれず、躊躇なく自分を変える。そのための知識と心構えと、ちょっとした工夫を書いた。

 昨日決まったビジネスのルールが、今日はがらっと変わっている。何十年も盤石だった大企業が、ついこのあいだ起業したスタートアップにコテンパンにやられる。そんな激動の(でもクソ面白い)時代に生き残るのは、簡単なことではない。

 だけど、もう一度言っておこう。

 生き残るのは強い者ではなく、変化し続けた者だ。

*  *  *

●細分化されたコミュニティ全員が好きになるものがヒットする

「特定のコミュニティに深く刺さるもの」が今の時代、ヒットする。そういう意味で思い浮かぶのが、2019年4月に公開されたアメコミヒーロー映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』だ。本作は世界興収が『アバター』を抜いて歴代1位と、映画興行史に残るメガヒットになった。

『エンドゲーム』を映画館で観て、ものすごく驚いた。その前のシリーズ21本を全部観ていないと、内容がほとんどわからないのだ。あんなに間口の狭い映画はない。にもかかわらず、世界で一番ヒットした映画になった。一体どういうことなのか? 

 これも、すごく今の時代を表している。この映画は、今までの21本を観てきた人への「壮大なご褒美」だ。特定のコミュニティ――この場合、シリーズ21本を観たファン――の満足度を完璧に満たした。先ほどの言い方に当てはめると「細分化された特定のコミュニティ全員が好きになるもの」だったのだ。

 同作は「こんなに間口が狭いのに、まさか」のヒットだったが、ぼくはある芸能事務所の社長の言葉を思い出した。「今は企画について『なるほど』と言われたら終わり。『まさか』と言われたものだけが跳ねる」。納得である。

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