コアリクイ パンタナール(ブラジル)■オリンパスOM-D E-M1 MarkII・M.ズイコーデジタル ED 40~150ミリF2.8 PRO・ISO200・絞り開放・500分の1秒
コアリクイ パンタナール(ブラジル)■オリンパスOM-D E-M1 MarkII・M.ズイコーデジタル ED 40~150ミリF2.8 PRO・ISO200・絞り開放・500分の1秒
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 これは、コアリクイが木から飛び降りる瞬間だ。しっぽがまだ枝に巻き付いているのは自分の身の安全をはかるため。突然何かがあっても、ぱっと体勢を立て直せるよう、最後の最後まで用心しているのだ。

 コアリクイが木に登るのはシロアリがいるから。彼らはするどい爪を使ってシロアリの小さな巣の穴を広げ、舌でアリをなめとる。アリだけでなく、ミツバチの巣も好物だ。

 彼らはこちらがじっとしていると警戒心をゆるめ、いろいろな様子を見せてくれるのが楽しい。このときは3、4メートルの近さで撮ることができた。

写真・文=岩合光昭

アサヒカメラ2019年8月号から抜粋

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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