
どの店の軒先にも「G20大阪サミット みんなで成功させよう」というポスターが貼られている。いつもは、夕刻になると提灯に灯がともり、どこからともなく、ふらふらとやってくるお客で賑わう。
近年はインバウンド客が多く、飛田新地でも外国人客を見かけるようになった。しかし、この日はどの店の灯りすらともらない。
「G20サミットという世界の皆さんをお迎えする大きな、会議があるんやからしゃあないわな。商売としては? そら、えらい損害やで」(前出・遊郭の元オーナー)
G20サミット期間中に休業しているとはしらずやってくる客もいるようで「ほんま、休みかいな」とがっかりしている人もいた。

そんな客対応のためか、警備員が「休業」と書かれた大きな看板を持って歩く姿もあった。飛田新地で働く女性はこう話す。
「休業やからどないもならへんやん。大阪に偉い人、たくさん来ているねんやろ。けど、なんで来てるのん? G20サミット?そんなん知らん。商売させてほしいわ」
そして女性はこう付け加えた。
「うち、安倍総理が消費税アップするみたいなことは知ってんねん。うちらの商売でどないしてアップさせるんよ。うちらにも1票はあるねん。安倍総理、いらんことしないでほしいわ」
安倍総理への審判は参院選後に下る。
(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事