去年7月にカリフォルニア生まれの柴犬弁慶(写真右、雄、13歳)と雑種のハナ(同左、雌、6歳)を連れて米国から帰国しました。

 帰国前の心配は住環境と真夏の猛暑。見晴らしが良く庭の広い家から、玄関ドアの前はすぐに道路という小さな家への引っ越しです。私自身も暮らせるかなと不安だったのですが、2匹とも着いた日から好奇心満々で元気に散歩し、狭さも庭がないことも全く意に介する様子がありません。

 猛暑のほうは、曇りが多かったこととクーラー代をケチらなかったせいか、どちらも夏バテせずにすみました。日本製のドッグフードが気に入ったこともよかったのかもしれません。

 近所には野良がいて、ハナはキャットチェイスが大好きです。ただし相手が背中を丸め、毛を逆立ててにらむと、すぐに退散。

「もういいの?」と声をかけても、猫なんか見なかったというような顔で歩き始めます。その後ろ姿を見ながら、あきれるやらおかしいやら。

 秋は八幡様のイチョウの黄葉に感動しました。毎日見ても見飽きることなく、立ち止まって、ただ木を見上げる私を2匹とも黙って待っていてくれました。

 困ったのはご近所の柿です。実が熟して落ちていると、弁慶が食べたがります。米国時代、夫が時々やっていたからでしょう。気をつけていたのですが、ハナのトイレに気を取られた隙に、1個丸ごと食べ、ひどい下痢になりました。

 年明けの1月には都内にも大雪が降りました。連れ出してみると、「犬は喜び庭駈けまわり」どころか弁慶は硬直状態で、しかたなくハナだけ歩かせ、弁慶は抱っこして一周するはめになりました。

 そして待ちに待った春。散歩コースの川沿いの桜を一緒に楽しみました。

(小田真由美さん 東京都/63歳/パート)

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