先週の夏日続きに比べると、今週は気温も下がって肌寒い日があるそうですから、体調管理には十分に気をつけたいですね。さて、今日、5月20日は森林(もり)の日。森林をはじめとした自然に触れる生活を過ごしていますか?ご存知の方が多いかと思いますが、日本は森林大国です。国土面積の約67%が森林で占められています。ところが、その森林を身近に暮らしている人々はそう多くありません。森林の日の今日は、森林や自然に思いをめぐらせたり、最寄りの森林を調べて出かけてみてはいかがでしょう。また、近年セラピーの定番にもなりつつある「森林セラピー」はいかがでしょうか。特別な何かの症状がなくても私たちを癒し、五感を開かせ豊かな気持ちにさせてくれることでしょう。
この記事の写真をすべて見る「美し村(うましさと)連邦」が制定した「森林(もり)の日」とは
2003年に解散してしまった「美し村連邦」は「美」という文字が村名の最初についている全国の10村によって発足され、交流を深めながら自然保護や過疎化、高齢化などの課題をテーマに活動をしていました。その活動の中で、5月20日を森林(もり)の日と制定。「森林」という文字は「木」が5つ入っており、総画数20画であることから「5月20日」をその日としたそうです。ちなみに、美し村連邦を発足した当時の10村は、平成の大合併と呼ばれる市区町村合併によって9村が消滅、今現在残っているのは茨城県美浦村のみです。森林の日を制定した村はほぼ消滅してしまいましたが、地域の名前や仕組みが変わって行くことがあっても、豊かな自然、美しい森林は、大切に次の世代へ残して行きたいですね。
世界屈指の森林国なのに、一人当たりの森林面積は少ない!?
環境課題は少なくありませんが、それでも豊かな自然を持つと言われる日本。森林がこの日本にどのくらいあるのかご存知ですか?国土の何割を占めているのでしょうか。農林水産省のホームページには「日本の森林面積は約2500万ヘクタールで、国土の約67%を占めている」と記されています。面積割合としては世界屈指の森林国と言えますが、一人当たりの森林面積は0.2ヘクタールで、世界平均の0.7ヘクタールに比べると、かなり少ないと言えます。日本は樹木が育ちやすい環境であると言われていることから、歴史を辿れば森林をもっと身近なものとして生活してきた時代もあるのだと思いますが、都市への人口集中や開発などを考えると、今現在自然や森林に寄り添って暮らせている人は少ないのではないかと想像します。
国をあげて研究する森林セラピーの効果、認定された森林
森林浴という言葉は以前から耳にしますが、ここ十数年の間に全国各地の森林で「森林療法・森林セラピー」が行われ、多くの方が関心を寄せるようになりました。2004年には国家事業として林野庁が科学、医療の視点から、森林環境が私たち人間の生理的効果にどのような影響を及ぼすのかの解明に着手しました。そして、その研究の成果を踏まえて産官学共同で、実践、普及のための更なる取り組みが今なお続いています。つまり、森林セラピーによって、癒しや特定の症状に対する改善効果が認められ、療法のひとつとして私たちが安心して選べるようになったということです。整備された森林で、生理・心理的効果の有無が検証され認められた森林の中には、セラピストや森林セラピーガイドが案内してくれる場所もあるそうです。詳しくは特定非営利活動法人森林セラピーソサエティのホームページ、全国63の森ページをご覧ください。ヨーロッパでは広く普及している森林セラピーですが、森林が豊かな国に暮らす私たちこそ、森林をもっと身近に感じたいものですね。