中判デジタルGFX 50S用単焦点レンズ追加
富士フイルムGFX 50S用の交換レンズは着々とラインアップを増やしつつある。APS-CミラーレスのXシリーズ交換レンズと同様にその登場のスピードは目をみはるほど速い。GFX 50Sボディーと同時に発売された32~64ミリF4、63ミリF2.8、120ミリF4マクロに続く4本目と5本目になる、大口径中望遠と超広角レンズの登場だ。
GF110mmF2 RLM WRは現時点でGFレンズの中では最も大口径になる。このスペックで思い出す中判用レンズといえば、かつてのハッセルブラッドFシリーズ(カメラ側にフォーカルプレーンシャッターを搭載)用の標準レンズである、プラナーF110ミリF2だ。
GFX 50Sに装着したときは、35ミリ判換算で87ミリ相当の中望遠相当の画角となるが、もし中判らしい写真を意識した演出がしたいなら、開放F2という明るさもあり、本レンズを少し長めの標準レンズとして考えるのも、GFX 50Sを使いこなす手法の一つとしてアリだと思う。
9群14枚でEDガラスを4枚採用する凝った構成。描写に関しては、開放から見事としか言いようのない高画質で、中判ミラーレスのGFX 50Sのポテンシャルを引き出せる。大きなボケ味が得られるのでポートレートを主体に使う人なら必携のレンズだ。大きなボケで被写体を際立たせたり、逆にボケの面積を画面内に多くしたりしてムーディーな写真に演出したいときも最適だ。
GF23mmF4 R LM WRは35ミリ判換算で18ミリ相当の画角になる超広角レンズだ。実焦点距離からしてもパンフォーカスの風景撮影には欠かせないレンズで、防塵・防滴やマイナス10度までの耐寒性能を持つ。
レンズを装着しGFX 50Sのファインダーをのぞいても、超広角レンズという感じはほとんどない。アスペクト比が4対3であり、ほぼ完璧に歪曲収差が補正されているためだろうか。カメラを水平垂直に構えるだけで、超広角レンズの強いパースペクティブが簡単に抑制できるからかもしれない。厳格さを要求される建築撮影にも適しているレンズだ。
ミラーレス中判カメラの交換レンズとして特性を生かし対称型に近く、ズームレンズ並みの12群15枚構成になっている。絞り開放から驚くほど均質性が良好でコントラストも高く実用上も十分。周辺光量もよく確保されている。
GF110mmF2 R LM WR
●焦点距離・F値:110ミリ・F2●レンズ構成:9群14枚(EDガラス4枚)●画角:27.9°●最短撮影距離:0.9メートル●最大撮影倍率:0.16倍●フィルター径:φ77ミリ●大きさ・重さ:φ94.3×125.5ミリ・1010グラム●価格:税別35万9500円(実売35万460円)
GF23mmF4 R LM WR
●焦点距離・F値:23ミリ・F4●レンズ構成:12群15枚(非球面レンズ2枚、スーパーEDガラス1枚、EDガラス3枚)●画角:99.9°●最短撮影距離:38センチ●最大撮影倍率:0.09倍●フィルター径:φ82ミリ●大きさ・重さ:φ89.8×103.0ミリ・845グラム●価格:税別33万9500円(実売32万8860円)
◆赤城耕一
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