ワイドショーは番組の進行表はもらうけど、意見は自分で決めて言う。「アッコにおまかせ!」なんか何も決まっていないのでぶっつけ本番のアドリブで、みんなしゃべっています。アッコさんの番組は「お昼に家族で見られる」というコンセプト以外、特に決まり事もないんですよ。ここで「キレてください」とか言われることもありません。今はそういう演出みたいなことをやれば、ネットで視聴者にすぐに叩かれますしね。
僕のポリシーは、好きなようにやろうということ。笑いが取りたいときはボケるし、真面目に言うときは言おうと。それと、極端な政治思想じゃなくて、なるべく真ん中を行こうと思っている。視聴者のみなさんがだいたい思っているような、本音のところね。
昔、「ニュース探究ラジオ Dig(ディグ)」という生放送のラジオ番組で月曜日のコメンテーターをやっていたんです。政治や社会問題をテーマに、専門家や新聞社の論説委員、政治家を呼んで「これどうなっているんですか」と聞いたりして。そういうことは俺には無理だなと思っていたけど、2、3年やってると面白くなってきたんですよね。ある程度勉強もしなきゃいけなくなったし、新聞も読まなきゃいけない。でもやってると「あ、自分も意見があったりもするんだな」とわかってきたんですよ。
そして、そこのスタッフに「情報を伝えるには、右だ左だじゃなくて真ん中を通っていかないといけないんだよ」と、鍛えられた。
いまツイッターとかでワッと書き込んでいるのは、右だ左だと結構、極端な人たちが多いけど、物言わぬ視聴者とか物言わぬ読者が圧倒的に多いと思うんです。そういう人たちが結構、真ん中だったりすると僕は思っている。いわゆる"普通"の意見だと思うんですよね。
だからワイドショーで真面目に言うときは真面目に。その代わり、ほかの番組でパンツ一丁で暴れまわっていれば、それが一番いいと思うんですよね。そこが僕の本業だから断ったらダメ。その振り幅があればいいんじゃないかなって最近は思っているんです。(構成/AERA dot.編集部・金城珠代)