2月も後半になりました。まだ冴え返る*日もありますが、今年も全国各地に春の嵐が訪れました。ゆっくりと季節が変わっていることを風が教えてくれています。季語に風光る*という言葉もあります。春の日を透かしたように吹く風はきらきらと美しいものです。この時期になると春の花がそこかしに見られるようになりますね。春の花を観ると「あぁ、春だな~」と感じる方が多いのではないでしょうか? 季節の花を生活に取り入れて丁寧な暮らし、してみませんか?
*冴え返る…暖かさを感じるようになって寒さが戻ること(寒戻る、余寒、春寒)
*風光る…春になり日差しが強まって吹く風がまばゆく感じるさま

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季節のグリーティングに添える!

たんぽぽ、すみれ、さくら、そして菜の花…春の野を彩る草花は私たちの心を癒してくれるものです。今日2月24日、「春のグリーティング切手」が発売されます。はがきに用いる52円切手10枚で1シートと82円切手10枚で1シートの2種類です。パステルカラー52円切手には…桜、たんぽぽとクローバー、春の野菜のバスケット、たけのこ…が、82円切手には…いちごのポスト、菜の花、お花のリース…が勢ぞろいしています。見ているだけで微笑んでしまいそうです。春が来た! その想いが切手で伝えられたら素敵ですね。

家庭で楽しむ春の花、飾ってよし、食べてよし!

春の花というと、やはり桜?それともたんぽぽ? それぞれ好みがあると思います。でも、飾っても食べてもいい花と言えば「菜の花」ではないでしょうか? もちろん、観賞用と食用では種類は異なりますし、今では食べられる花は珍しくはなくなりました。その元祖とも言える花が春の菜の花と秋の菊と言えるでしょう。さっと茹でるだけのお浸しや辛し和えはもう一品に最適ですし、お吸い物やみそ汁に加えても、炒めても美味しいですね。ペペロンチーノに加えても独特の苦みが生かされそうです。また、園芸品種の西洋菜の花と別に水辺に咲く日本古来の菜の花も幻想的で美しいものです。

言葉の世界でも地味に活躍しています

菜の花と言うと蕪村の句「菜の花や月は東に日は西に」が浮かぶ方も多いのではないでしょうか? その他にも芭蕉や漱石など名だたる俳人が名句を残しています。菜の花の季語には、花菜(はなな)、菜種の花(なたねのはな)、油菜の花(あぶらなのはな)、花菜雨(はななあめ)、花菜風(はななかぜ)などの傍題(ぼうだい)があります。少し呼び方を変えたり、雨や風など気候に添えるだけで季節感が増しますね。
これから卒業・入学をはじめ生活が新たに始まる方が多い季節です。お祝いやお集まりの食卓に、懐かしい人への便りに…菜の花を取り入れてみるのも丁寧な暮らし方としておススメです。風がやんだら、心穏やかな春を満喫しましょう。

参考
俳句歳時記「春」 角川学芸出版
日本郵便公式サイト