
7月末でトレード期間も終了。DeNA・藤浪晋太郎、ヤクルト・青柳晃洋ら期限ギリギリの駆け込み補強も含めて、シーズン途中に移籍した選手たちが新天地でどんな働きを見せるか、優勝やクライマックスシリーズ(CS)進出がかかるこれからが正念場だ。そして、過去にもシーズン途中の補強がピタリとハマり、優勝に貢献した選手が存在する。
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巨人から近鉄に移籍後、後半戦だけで7連勝とリリーフの柱となり、チームの12年ぶりVに貢献したのが、三沢興一だ。
1997年に早稲田大からドラフト3位で巨人入りした三沢は、先発、リリーフとして4年連続35試合以上に登板。4年目の2000年には41試合に登板し、1勝1敗1セーブ、防御率2.33でチームの日本一に貢献した。だが、翌01年は、前半戦で登板わずか2試合の0勝1敗、防御率18.00と低迷していた。
そんな矢先の6月26日、2対2の交換トレードで近鉄移籍が決まる。左足故障の影響で、当初は2軍暮らしが続いたが、7月30日のロッテ戦で、3対4の4回1死満塁のピンチに3番手として移籍後初登板をはたすと、サブローを二飛、橋本将をフルカウントから空振り三振。見事無失点で切り抜けた。
その裏、味方打線も的山哲也の2ランなどで3点を挙げて逆転。三沢も6回までデリック・メイのソロによる1失点に抑え、移籍後初白星を手にした。
「近鉄のユニホームを着て初めてのマウンドで、こんな仕事ができてうれしいです」とお立ち台で喜びに浸った三沢は、以後、9月9日のダイエー戦までいずれもリリーフで無傷の7連勝。防御率は4.01とけっして良くないのに、登板直後にチームが勝ち越したり、逆転する“勝利を呼ぶ男”として巨人時代と併せて2年連続でV戦士となった。
同年の近鉄は、優勝を決める代打逆転満塁サヨナラ弾を放った北川博敏、53試合登板のリリーフ左腕・関口伊織、代打の切り札・益田大介ら、三沢以外のトレード組も活躍し、補強がハマりまくった感もあった。