現在の肩書を尋ねると、悩みながら「タレント」と答えてくれた亮さん。「模索中なんですよ。タレントに"お笑い"をつけたくない。人が書くぶんにはいいけど、自分で言うのは感覚的に違うかなって」(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)
現在の肩書を尋ねると、悩みながら「タレント」と答えてくれた亮さん。「模索中なんですよ。タレントに"お笑い"をつけたくない。人が書くぶんにはいいけど、自分で言うのは感覚的に違うかなって」(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)

25、26歳で「MCは不得意やな」

――芸能界に入って、この年までにこうなりたいといったプランを描いたりはしましたか。

「芸人で飯を食いたい」から始まって、自分たちの冠番組を意外と早めに持てたんですよ。30代になる前にはゴールデンにも進出させてもらった。バラエティー番組に憧れて入ったので、そこで司会ができたこともうれしかったし、大きな目標がかなったなと思いました。

 ステップアップはしてきたつもりですけど、その後のことはあまりイメージできてなかったですね。それこそ能天気というか、「これが永遠に続け」って思ってました。

――人気をつかんでいくなかで、いろんな人との出会いがあったと思います。周りからかけられた言葉やアドバイスで印象的だったことはありますか。

 25、26歳のときに、MCは不得意やなと思うようになりました。視野が狭いと言われたこともあるし、自分でも司会するなら必要な「周りの状況が見えてる感覚」があまりなかったんです。

「しっかりやらな」と考え込んでいたときに、あるスタッフさんから「理屈で考えてると全部が遅くなるから、思ったことをそのまま言ったほうがいいよ」と言われて、少し気持ちが楽になりました。

 僕は相方やスタッフに恵まれて生きてきた人間なので、助けられてるなという思いはずっと持っていますね。

(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)
(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)

――そうして生まれた自然体な姿が視聴者に受け入れられました。

 考えて取り組んだことが、基本的にだめなほうにいくんです(笑)。もちろんスイッチは入れますけど、なるべくナチュラルにいこうと。ただ、それがどう受け止められたかは全然わからなかったですね。

――当時はSNSもないですよね。ファンの方の声を知るのは、手紙や掲示板を通してでしょうか。

 今みたいに書き込むのも楽じゃないから、エネルギーがないとできないですよね。

――今、エゴサーチとかはされますか。

 あまりしないほうです。でも、謹慎中はしていましたね。自分でもちょっとおかしかったと思うんですけど、名前を検索するとネガティブな言葉が並ぶじゃないですか。それを全部受け止めようとしていた時期があります。今振り返るとむちゃくちゃやなと思いますが、「それはそやな」とか変に納得していたんですよね。

 そういう時期もあって、良い意味でコメントを受け流す気持ちが強くなった気がします。だからYouTubeのコメント欄も特に制限はしていないんです。

――動画のコメント欄はポジティブなものも多いですね。

 いやいや、全然ですよ。車についての動画をアップしたら、「お前は車好きじゃない」ってコメントもいっぱいきます。だから僕も反論します。

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