アグネスさんの新著「70歳、ひなげしはなぜ枯れない 心も体もしなやかでいるための45のヒント
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思春期を迎えた3人の息子にも伝えた

 疲れているのに眠れなかったり、攻撃的な気分になったり、やる気が出なかったりするのは、体内のホルモン環境が乱れているサインかもしれません。
 この状態が続くと、心に余裕がなくなり、些細な事で怒ったりして周りの人を遠ざけてしまうことにもなりかねません。

 ホルモンの仕組みを知り、自分でコントロールする方法を身につければ、穏やかで、エネルギーに満ちた毎日をつくることができる。

 私は3人の息子たちが思春期を迎えたときも、ホルモンの働きについてよく話して聞かせていました。
 この時期、思春期特有の現象が出てきます。時にはイライラして言い返したり、落ち込んで閉じこもったり、情緒の起伏が大きくなる時期。

 でも私は彼らに、「あなたのせいじゃないよ。それはホルモンのせいなの」とよく話していました。
 人間の体と心は、ホルモンによって大きくコントロールされている。感情の波も、気分の浮き沈みも、「自分が弱いから」ではなく、体の中の仕組みがそうなっているだけなのだと。

一緒にいるとホッとするおばあちゃんになりたい

 そしてそれは、思春期に限った話ではありません。女性の場合はとくに、更年期にも大きくホルモンの影響を受けます。

 心が揺れる、眠れない、疲れがとれない、理由のわからない焦りや不安――。それらが続くと、自分の心が弱くなったように感じてしまうこともあります。

 でも「ホルモンの変化が原因かもしれない」と知っているだけで、そのつらさが少し軽くなると感じています。

 大切なのは、年齢のせいにするのではなく、今、自分の中でどのホルモンが優位なのかを見つめ、必要なら環境や行動を整えることです。

 私が目指したいのは「一緒にいると、なぜかホッとする、ハッピーホルモンいっぱいのおばあちゃん」です。

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