竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 読者の皆さんはいま、何らかの「推し活」をされていますでしょうか。

 物価高で消費が冷え込む中、好きな芸能人やスポーツ選手などを応援するこの「推し活」にはお金を使うという人が増えていて、「推し活市場」は推計で約3兆5千億円とも言われているそうです。

 私が小学生、中学生だった40年ほど前にも、「推し活」的なものは存在しました。「好きな人を応援したい」という気持ちはいまも昔も変わらないと思います。

 いまが昔と違うのは、スマートフォンの存在でしょう。応援する人も、される人もSNSで情報を発信できる。そしてその人を好きな人同士の横のつながりも作りやすくなった。そんな活動が隙間時間に「タイパ良く」行える。いわば双方向性によって、経済活動にも活発に結びつきやすくなっているのだと思います。

 私自身の「推し活」は、やはり阪神タイガースです。高校生の頃は、甲子園で試合があるときはもう毎日のように昼過ぎから球場に並んで、夕方の開門と同時にダッシュで外野の自由席を取っていました。

 そしてプレイボールまでの数時間、友人たちと「きょうはどうなるだろう」なんて話しながら待つ。試合が始まればすべての応援歌を歌いこなし、勝利した日にはもちろん六甲おろしを歌って、電車で帰る。そんな日々でした。

今シーズン首位の阪神(7月24日時点)。ファンの声援にも熱が入る=日刊スポーツ
今シーズン首位の阪神(7月24日時点)。ファンの声援にも熱が入る=日刊スポーツ

「推し活」について「ストレス耐性を高める」という調査結果もあるようですが、その点では、めちゃくちゃ大声をあげて応援していた私の推し活は、いまのSNSによるものよりもさらに優れていたかもしれません(笑)。

 私は掛布、バース、岡田の「バックスクリーン3連発」世代。岡田彰布前監督にお会いしたときは一気に高校生の自分にタイムスリップしました。嬉しかったですね。いまの若い方にも「推し活」を楽しんでほしいなと思います。

AERA 2025年8月4日号

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