
参院選前には学生主体で選択的夫婦別姓実現に向けたオンライン署名を立ち上げた。「まだ結婚していない学生も選択肢を望んでいることを知ってほしい」と話す。
「そもそもなぜ結婚を選ぶのか」に疑問を持ち、「自分を非婚者だと捉えている」という人もいる。東京在住の50代女性は、法律婚をせずに子どもを育てている。「結婚の必要性を感じないし、結婚制度は形骸化されるべきではという思いがあります。同性婚も夫婦別姓もできない現在の法制度への抗議の意味も含めています」と話す。
女性が20代だった頃は社会に「社内結婚=女性の退社」という意識があったと振り返る。女性の父親は、勤務先で優秀な女性たちが結婚を機に退職していくことを「もったいない」と嘆いていた。
政治家の発言などを聞いていると、「結婚=家制度の存続に加担する」ような感覚があるが「うちは家業があるわけではないので、家を維持するというニーズがなかったんです」。ローンなどの実利的な理由がないと、結婚したいとは思わないという。
そんな女性は40代で出産。徒歩圏内に住むパートナーと共に子育てをしている。女性は「結婚しないことの良さは『離婚のしようがないこと』」と話す。法律婚の縛りはないが、「子どもの親であり、運命共同体ではある。私の子どもも『これがうちの普通』だと思っています」。
「結婚」の形の多様化が進んでいる。
(フリーランス記者・山本奈朱香)
※AERA 2025年7月28日号より抜粋
こちらの記事もおすすめ 【もっと読む】夫の姓になった途端「うちの嫁」扱い 事実婚を選択する理由3割が“改姓望まないから”