宇野昌磨のアイスショー『Ice Brave』、第2章の開催が決定!(Photo: Nobuaki Tanaka ©Ice Brave Executive Committee All rights reserved.)
宇野昌磨のアイスショー『Ice Brave』、第2章の開催が決定!(Photo: Nobuaki Tanaka ©Ice Brave Executive Committee All rights reserved.)
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 宇野昌磨が「最初で最後のつもり」で取り組んだ「Ice Brave」は、これからも進化し続ける。

【写真】今しか見られない宇野昌磨の姿がそこにある

 6月14日に愛知で開幕した宇野プロデュースによるアイスショー「Ice Brave」は、7月13日に新潟(MGC三菱ガス化学アイスアリーナ)で千秋楽を迎えた。6月21・22日に行われた福岡公演を含め、3都市で9公演を開催。初演からの約一か月で、観客にも参加してほしいという宇野の呼びかけが浸透したのか、千秋楽の会場はペンライトの光と歓声が満ちており、コンサート会場のような熱気にあふれていた。

 アイスショーの概念を変える観客の進化に、宇野も呼応する。このアイスショーにかける思いを爆発させるような愛知公演初日での演技に対し、千秋楽での宇野には余裕が感じられた。初日のオープニングでは爆速で登場し、その勢いのまま最初の2曲を駆け抜けた印象だったが、今公演では2曲目の『Come Together』でリンクの端に立ち止まり、客席の反応を楽しむような仕草が見られた。

「皆さんの大きな歓声で、毎回どうしても100%以上出してしまう。ショーが終わるごとに、『もう動けない』っていうぐらい」という宇野は、公演終盤の『ボレロ』で転倒し、背中から氷に転がった。公演後の囲み取材で「引っかかったのか」と問われた宇野は、「いや、体力ないのに全力でやったら、ああなりました」と答えている。清々しい表情からは、試合の時は減点となった転倒を今は過度に意識せず、思い切り力を出し切れる喜びが感じられた。

「試合の時よりも、皆さんの大きな歓声がすごい。ジャンプの成功・失敗に限らず、お客さんが大きな歓声を上げてくれることによって『皆さんにいいものが届けられているんだな』と。すぐレスポンスが返ってくるというのが、やっぱりアイスショーならではの良さだなと思いました」

 取材を受ける心境も、アマチュア時代とは変化したという。

「試合だと本人の気持ち、『試合はどうだったか』『この時どう思っていたか』ということがあると思うんですけど、僕的にはむしろ皆さんに『どうでしたか』とお聞きしたいというか。もちろん僕の気持ちも大事だと思うんですけど、お客さんだけじゃなくて記者さん全員にも『このショーを見てどんな気持ちになりましたか』と(聞きたい)。このショーを見て『ここがすごくよかった』『ここが新しい』と言っていただけるのが、愛知の時もすごく嬉しくて。またそういう皆さんが高揚している感じを、次も味わえたらなと思います」

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