2025年7月8日、訪英中のマクロン仏大統領との行事のためにウィンザー城に向かうウィリアム皇太子とキャサリン妃(photo アフロ)
2025年7月8日、訪英中のマクロン仏大統領との行事のためにウィンザー城に向かうウィリアム皇太子とキャサリン妃(photo アフロ)

父と兄からの酷い仕打ち

 そんな最近のヘンリー王子について、エクスプレス(オンライン)が「フラストレーションが極めて高くなっている」との英王室専門家のコメントを紹介している。ヘンリー王子は、王室離脱後5年以上経っているのに、未だに王室と確執が続くことが不満だそうだ。自分の言動に対して、王室は冷淡でまるで耳をふさぐかのような沈黙を守ることにイライラを募らせていて、「王室から徹底して見放されたことに、ただ憤りしかない」というのだ。

 確かに、ヘンリー王子が勇気を振り絞って発言しても、英王室からは全く反応がない。王子は、王室での実際の体験を具体的にいくつも挙げてインタビューに応えたり本に書いたりしたにも関わらず、王室は真摯に取り組もうとしない。王子の言葉を検証したり事実関係をチェックしたりすることもない。つまり無視されているのだ。ヘンリー王子は「王室には誠実さが感じられない」と怒りを覚えていて、離脱したことで、父と兄から「これほどひどい仕打ちを受けるとは予想していなかった」と憤っているのだ。

 これに対する英王室関係者の意見は「王室離脱後、アメリカでの5年間に自分が何をしたか、それに対して王室はどう思ったか、よく思い出してみたらよい」と冷ややかだ。ヘンリー王子とメーガンさんは、「アメリカは自由で楽しい」と繰り返しているが、チャールズ国王(76)もウィリアム皇太子(43)も義務と公務に追われ、もうヘンリー王子たちとは全く別の世界に暮らしているのだ。英王室関係者は、そのことをヘンリー王子は理解すべきだと指摘している。

メーガンさんが発売を開始したワイン (photo  Instagram @aseverofficia)
メーガンさんが発売を開始したワイン (photo  Instagram @aseverofficia)

メーガンさんはワインの発売を開始

 一方のメーガンさんは、7月1日にロゼワインを発売した。そのプロモ―ションで、インスタグラムにワインがグラスに注がれる様子を音声付きで映した動画を投稿。すると、「これは、トイレの便器に液体が落ちる音にそっくりだ」と相変わらずネガティブな反応が集まってしまったが、今回はメーガンさんを擁護する声もある。

 PR専門家は、メーガンさんはワインをアメリカ国内のみでの購入が可能としていることに注目する。世界ではなくアメリカへの配送を優先させていることから、目先の利益や急激な成長を追い求めていないと伝わってくる。専門家は「品質へのこだわりを尊重する責任感と誠実さに通じる」とかなり前向きに評価している。

 だが、褒める動きがあると即座に否定する声があがるのがメーガンさんだ。 「メーガンが気にしているのはただ一つ。自分自身のことだけ」との反論がさっそく上がっている。メーガンさんが、ジャムやワインなどの「アズ・エバー」の製品に対して全面的な支持を得るのは、なかなか難しそうだ。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

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