
劇場版『鬼滅の刃~無限城編~』の公開を記念した、全七夜特別放送の第四夜が4日、放送となる。今回は、鬼殺隊にとって重要な武器“日輪刀”を鍛造する里、“刀鍛冶の里”を舞台に新たな戦いが繰り広げられる。物語冒頭で描かれる、上弦の鬼たちの関係性を過去の記事で振り返る(この記事は「AERA dot.」に2023年2月22日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。
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【※ネタバレ注意】以下の内容には、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
2月3日から、全国で「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」が上映され、興行収入が約26億3700万円を記録する大ヒットとなっている(2月21日時点)。「刀鍛冶の里編」の冒頭では、上弦の鬼同士の関係がよりはっきりと示され、上弦の参・猗窩座と上弦の弍・童磨との“確執”も明らかになった。上弦の鬼が結集した場では、童磨による挑発的な行為により、猗窩座と一触即発の状況となった。この2人に一体どのような因縁があるのか。特徴的なセリフや行動から考察した。
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童磨と猗窩座の態度
遊郭の戦いで「上弦の陸(=6)」堕姫と妓夫太郎が敗北すると、鬼の総領・鬼舞辻無惨は、他の上弦の鬼たちを無限城に呼び出した。鬼同士の関係はいびつで、「共通の敵=鬼殺隊」と戦うにもかかわらず、一部の例外をのぞいては、無惨の命令がないかぎり共闘もせず、仲間意識もない。鬼同士が群れることによって、無惨に反逆することがないよう、コントロールされているからだ。
上弦の鬼たちも例外ではなく、基本的には単独行動を好む。とくに上弦の参(=3)の猗窩座は、炎柱・煉獄杏寿郎との戦いではあれほど饒舌(じょうぜつ)に話をしていたのに、無限城では不機嫌で押し黙ったままだった。一方で、上弦の弐(=2)の童磨は他の鬼たちを「仲間」だと言い、無惨にさえも積極的に話しかける。しかし、童磨のコミュニケーションは一方的で、周囲との会話もどこか噛み合わない。猗窩座と童磨が“正反対”の性格であることが垣間見える場面だった。
童磨の“異質さ”と攻撃性
上弦会議開始直前、童磨はいとも簡単に猗窩座の右肩に手をかけた。致命傷を与えられる近さであることから、童磨のこの態度は猗窩座に対する威圧でしかない。緊迫感ある猗窩座の表情と、笑う童磨の対比は、彼らの実力差を明確に伝えるシーンでもあった。口では「仲間」だと言いながら、相手に恐怖を与える。優しそうな笑顔や話し方の奥に潜む、童磨という鬼の攻撃性が顔をのぞかせていた。