夏目漱石の没後100年だった2016年。新潮文庫から猫好きの作家8人によるアンソロジーが出た。題して『吾輩も猫である』。 いずれも猫が一人称で語る趣向で、巻頭の赤川次郎「いつか、猫になった日」は〈どうやら、私は「猫」と呼ばれるものであるらしい〉という一言ではじまる。見覚えのある家にもぐりこんだ彼女は、そこで忽然と気がつく。〈私はこの家の主婦だった。もともと猫だったわけじゃない〉 さらに家族…
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夏目漱石の没後100年だった2016年。新潮文庫から猫好きの作家8人によるアンソロジーが出た。題して『吾輩も猫である』。 いずれも猫が一人称で語る趣向で、巻頭の赤川次郎「いつか、猫になった日」は〈どうやら、私は「猫」と呼ばれるものであるらしい〉という一言ではじまる。見覚えのある家にもぐりこんだ彼女は、そこで忽然と気がつく。〈私はこの家の主婦だった。もともと猫だったわけじゃない〉 さらに家族…
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