【ビデオリサーチ】Buzzビューーン! ブランドマネージャー:茅野恭平(かやの・きょうへい)/1985年生まれ、北海道出身。ビデオリサーチに新卒入社。九州支社で放送局担当営業を5年、その後、テレビ視聴率部門で10年以上従事。視聴率データを活用した新しいツールやサービスの企画・開発を担う(撮影:写真映像部・上田泰世)
この記事の写真をすべて見る

 全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA2025年6月9日号にはビデオリサーチ Buzzビューーン! ブランドマネージャー 茅野恭平さんが登場した。

【写真特集】大物がズラリ!AERA表紙フォトギャラリーはこちら

フォトギャラリーで全ての写真を見る

*  *  *

 あるテレビ番組やCMをどれぐらいの割合の世帯や人が視聴したかを示す視聴率。量的な評価を測定する指標として広告取引や番組制作などに利用されるが、昨今業界で注目されつつあるのが質的な評価「視聴質」の測定だ。

 動画配信サービスの充実や視聴方法の多様化など、テレビ業界を取り巻く環境の変化は著しい。こうした状況に対応するため、視聴率に加え、新しい視点で番組の価値を測ることが求められている。

「番組の本当の価値を知るためには、どれくらい見られていたかだけでなく、どのように見られていたかを示す指標が必要だと考えました」

 注目したのは、リアルタイムでのコミュニケーションに強いX(旧Twitter)だ。番組に関する書き込みで、番組に関連した話題がどれぐらい盛り上がったかを解析し、「見える化」するサービス「Buzzビューーン!」を開発した。

「若者のテレビ離れが指摘されて久しいですが、番組に対する視聴者の反応や熱量を見ていると、テレビの力はまだまだある」

 自分なりの考察や登場人物の感情に対する共感など、書き込みをすること自体が番組への高い関心を示している。

 自身も大のテレビ好き。家ではいつもテレビがついていて、小さい頃は時間があればテレビを見ていた。バラエティー番組から遊びのヒントを得ることも多く、学校では前の日のテレビ番組の話題で友だちと盛り上がった楽しい記憶がある。

「テレビ番組は昔と変わらず人々の共通の話題として機能しています。今はリアルタイムでXなどに投稿できるため、より能動的にテレビを見ている層がいることがデータとしてわかります」

 テレビ業界は近年、新たな収益の機会をつくり出そうと、海外市場も視野にコンテンツマーケティングの活用に力を入れている。戦略次第で番組に関連した商品の開発、販売などにも拡大できるだろう。

「視聴質は番組の付加価値を高める手段としても活用できるはず。視聴率のように広く用いられる評価基準として定着させたい」

(ライター・浴野朝香)

AERA 2025年6月9日号

こちらの記事もおすすめ 30〜40代女性に人気の「リカ活」 最新トレンド反映のため企画者が欠かさない習慣とは
[AERA最新号はこちら]