嵐のガチファンで「敦賀FM放送」でパーソナリティーを務めるゆいさん(撮影/上田耕司)

「何かしらの形で恩返しがしたい」

 ゆいさんがパーソナリティーを務める番組では、今も毎週欠かさず嵐の楽曲を流している。

「毎週火曜日の昼の番組を担当しているのですが、嵐からたくさんのものをもらってきた分、何かしらの形で恩返しがしたくて。社内の許可もいただいて、必ず1曲は嵐の曲を流しています。これからも、その気持ちは変わりません。応援の思いが少しでも届けばうれしいです」

 嵐が活動休止に入ったのは2020年末。5人のうち4人はそれぞれの道で活動を続けていたが、リーダーの大野智(44)は完全に表舞台を離れていた。それでも、ファンは彼の存在を身近に感じていたという。

「ファンクラブ動画の中の声や手元だけの出演……言葉には出されなくても、ちゃんと“そこにいる”ことを感じられる工夫がたくさんありました。例えば、大野さんのメンバーカラーである青が会報表紙の色に使われていたり。表には出てこなくても、5人はきっと、これまでも、そしてこれからもつながっていくんだろうなと感じさせてくれました」

 今回の活動終了の知らせも、ファンを思う嵐らしさがにじむものだった。

「嵐はいつも“5人”にこだわってきたグループ。だから、4人で続けるという選択は最初からなかったのだと思います。誰かひとりの意志でも大切にする、そういう関係性が、私は本当にすてきだなと感じています」

 そして最後に、こう付け加えた。

「ファンの中には、今回の発表を受け止めきれずに落ち込んでいる方もたくさんいらっしゃいます。“解散”という言葉は、今は特に敏感な時期なので、耳にするとつらくなってしまう人も多いと思います。でも嵐が“活動終了”という言葉を選んでくれたのは、私たちの心を少しでも守ろうとしてくれたから。その思いを、私も大事にしたいんです。だからこそ、感謝を込めて、これからも5人を応援し続けます」

 嵐のメンバーがジャニーズJr.だった頃からのファンだという千葉県の女性はこう話す。

「嵐としての活動は終わるけれども、『5人は解散はしないよ』というメッセージが含まれているのかなと思いました。解散というのは、みんながバラバラになるイメージですよね。だから嵐としては活動を終了するけれども、5人は永遠につながっているよという意味だと、私はとらえています」

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