織田裕二(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
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 数々の名作を生みだした「世にも奇妙な物語」が、31日「世にも奇妙な物語35周年SP〜伝説の名作 一夜限りの復活編〜」(フジテレビ系・よる9時)として放送される。「BLACK ROOM(主演・木村拓哉)」、「夜汽車の男(主演・大杉蓮)」、「ロッカー(主演・織田裕二)」、「美女缶(主演・妻夫木聡)」、「恋の記憶、止まらないで(主演・斉藤由貴)」の5作品をストーリーテラーのタモリが厳選。織田裕二にまつわる記事を再掲する(この記事は「AERA dot.」に2023年6月12日に掲載されたものの再配信です。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。

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 7月ドラマの内容や配役が次々と明かされるなか、ひときわ注目を集めているのが「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(テレビ朝日系)だ。本作では、織田裕二(55)が3年ぶりに民放連ドラ出演することが発表されたが、主役ではなかったのだ。1993年放送の浅野温子主演「素晴らしきかな人生」(フジテレビ系)以来となる“30年ぶりの脇役”にSNSやテレビ業界がざわついている。

「シッコウ!!~」の主演に抜擢されたのは、ゴールデン帯ドラマ初主演となる伊藤沙莉。裁判所の命令で資産の差し押さえなどを行う執行官を描いた作品で、織田は伊藤の上司役を演じる。織田が情け容赦のない執行官をどう演じるのかが注目されるが、伊藤との“でこぼこバディ”ぶりも見どころだ。

「織田さんといえば、『東京ラブストーリー』(1991年・フジテレビ系)のカンチ役でブレーク後、数々のトレンディードラマに出演。97年にスタートした『踊る大捜査線』シリーズの青島俊作刑事役で人気を不動のものにしました。ご本人も主演へのこだわりがあったと思いますし、結果を出してきた俳優だけに、ギャラも高かったと聞いています。また織田さんは“物言う俳優”とも言われ、企画の段階から作品に関わったり、監督やプロデューサーにセリフや演出の提案をしたりすることも少なくなかったようです。そんなこだわりの強さもあってか、2000年代以降は出演作が数年に1本と減り、ここ最近はヒット作に恵まれていない感がありました」(テレビ情報誌の編集者)

 一時は“視聴率男”と呼ばれた織田だが、近年の演技は評価が分かれている。16年に放送された「IQ246~華麗なる事件簿~」(TBS系)では、難事件を解決する天才貴族を演じたが「しゃべり方に違和感ありすぎて内容が入ってこない」など批判的な意見も。一方で、18年放送の「SUITS/スーツ」シリーズ(フジテレビ系)で演じた敏腕弁護士役は高い評価もあり、ベテラン刑事を演じた2月放送の社会派ドラマ『ガラパゴス』(NHK BS)では「中年のおじさん役もしっかりハマっている」と年相応の渋い演技を評価する声が目立っていた。

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