竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 お米の価格高騰が続いていますね。私たちももちろん、この課題に直面しています。

 しかし、「お米の価格が上がりました、ですので商品の値段もこれだけ上がります」だけでは、能がありません。どういう工夫をしたらお客様に楽しんでいただけるか、創意工夫をしていく。私たちにとって腕の見せ所であると考えています。

 まずはご飯のバリエーション。お米をこれまでと同量入れるのは難しい。ではどうするか。

 たとえば、もち麦を配合した商品を増やしてみたらどうだろう。もともとナチュラルローソンでは健康志向をうけたもち麦ごはんを推してきたということもあり、もち麦配合が合うお弁当やおにぎりに入れてみる。お客様に「なるほど、たしかにそれはいいよね」と思っていただければ嬉しいです。

 また、同じ炭水化物ということで、ご飯だけではなく焼そばなど麺類とあわせた「合体メシ」シリーズにしてみる。食べたときの満足感も上げていけるかも。

 お米の種類も、アメリカ産やタイ米などいくつか種類がありますが、商品によって合うお米は違うのではないか。白飯で食べるのとチャーハンで食べるのとでは、合うお米が違うかもしれない。グリーンカレーだったらエスニック系だからタイ米の方がむしろ合うかもしれない──など、品質と価格の両面で考えていく。

「よくばり合体メシ 炒飯&中華風焼そば」(税込み743円)。人気メニューの炒飯と焼そばのご飯と麺が一度に楽しめる、1000kcalオーバーのボリューム弁当

 失敗するアイデアもあるかもしれません。でも、「面白いチャレンジをしているな」とお客様に伝われば、お客様と一緒になってこの現状を楽しめるかもと思うのです。

 状況が大きく変化するからこそ、創意工夫によってあらためてお客様のご評価をいただけるチャンスに。そんな努力を続けていきたいと思います。

AERA 2025年6月2日号

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