英語の基礎的なフレーズでも、使うときに注意したほうがいいものもある(撮影/吉松伸太郎)

Q.  単語やフレーズで、特に日本人が間違いやすい英語はありますか?

A. 発音が難しい単語でいえば、“water”や“twenty”、“Santa Claus”のように、“t”の音が脱落するものでしょうか。アメリカ英語だからという部分もあるかもしれませんが、聞き取りにくいことが多いと思います。

 間違いやすいのはカタカナ英語や和製英語として日本語で定着している単語ですかね。たとえば「テイクアウト」はアメリカ英語だったら“to go”だし、イギリス英語なら“take away”。服装に関する言葉も多いですよね。「トップス」とは言わずに“sweater”や“shirt”だし、「ワンピース」は“dress”。「今日のコーディネート」と言うときにも“Today’s outfit”という言い回しを使いますね。

 英会話のテキストに出てくるような基礎的なフレーズで、注意の必要なものもあります。初対面の人に聞きがちですが、“Where are you from?”という質問はアメリカではとてもセンシティブ。挨拶的なものなので聞くこと自体は問題ありませんが、たとえばアジア系アメリカ人に“Where are you from?”と聞いたら、“I’m from Boston”などと返ってくるとします。それに対して、何系のアジア人かを聞き出したくて、つい“Where are your grandparents from?”などルーツを細かく聞こうとしてしまうのは要注意です。本人は「アメリカ人」というアイデンティティーを持っているのに、外見でアジア出身だと判断して意図せず相手にとって不快な聞き方をしてしまう。人によっては「私はアメリカ人ではないってこと?」と気分を害してしまうケースもあります。

 日本で生活していると、人種の問題にそこまで意識が及びませんが、さまざまなルーツのアメリカ人が集まっているのがアメリカ。国籍や出身地の尋ね方には配慮したほうがいいと思います。適切なコミュニケーションをとることは日本人同士であっても簡単ではないので、海外の人と英語でとることは本当に難しいことだと思います。

構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS

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