相場暴落時の最終局面に、相場格言ではないが、「森より木を見よ」という言葉が聞かれ始めたら、投資家のマインドが前向きに移行している表れでもあるという。物事の細部にとらわれて全体を見失う「木を見て森を見ず」という言葉とは異なり「森より木を見よ」は、「森」(全体相場)に捕らわれず「木」(個別株)を見るという意味で使われ、好業績株や優良株を選ぶ機会を探るという投資姿勢を示したものだ。
週間の終値で見た日経平均は4月第1週に値幅にして3339円(9%)安の暴落となり、連日終値で乱高下した4月第2週は195円(0・6%)安と3週連続で下落した。しかし、この4月第2週に週間で見たプライム銘柄は1005銘柄が上昇、621銘柄が下落と全体の約62%が上昇していた。相場的には、「森よりも木を見る」タイミングの入り口に入ってきた可能性がある。
4月下旬からは3月期企業の決算発表が本格化する。時期的にも個別企業の見直しが始まる時期ともなり、個人投資家の選別眼が試される機会が到来する。
(証券ジャーナリスト・天野秀夫)
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