
2025年度相場が本格的にスタートした4月第2週(7~11日)。日経平均株価は7日に過去3番目の下げ幅となる2644円安、そして8日に過去4番目の上げ幅となる1876円高、10日に同2番目の2894円高と、週を通じて大きな値幅を伴った「鯨幕相場」が展開された。
【図3つ】全世界株式、S&P500、TOPIX「30年の暴落ワースト3」は何%?
波乱の相場展開のなかで、最も兜町界隈で聞かれたのが「落ちてくるナイフはつかむな」という相場格言だった。相場の下落で安易な判断による買いはけがのもととなるという戒めで、まずはナイフが地に刺さる「相場の底打ち」を確認してからでも遅くはないという意味だ。相場の乱高下時には、こうした先人の教えである相場格言をあながち無視できない。
米国トランプ政権の関税政策を巡る二転三転に翻弄される株式相場だけに、方向性は不透明感が強まっている。売買のタイミングは難しいが、ある投資運用関係者は「相場は相場に聞け」と口にする。安易な自己判断によらず、素直に相場に従うべきだという教えだ。相場の方向性を確認してから買いに出動しても遅くはないという。
相場の流れに乗る
それでは具体的に売買のタイミングは? と尋ねると、「閑散に売りなし」の局面を経た「もちあい放れにつけ」と言う。相場が大きく上下動する場面で売買高は大きく膨らむが、落ち着いてくると、無風のもちあいに相場は移行する。狼狽売りが一巡する「閑散に売りなし」となることで、相場は底を打ち、その後のもちあい(往来相場)から、上放れ(もしくは下放れ)となる、相場の流れに乗るという展開だ。
4月第3週(14日~)に入り、日経平均の終値での値幅の変動が縮小、プライム市場(旧・東証1部)の売買高と売買代金が減少傾向となり、「閑散に売りなし」の局面が到来しつつあるとも捉えられる。