
4月21日スタートのドラマ「あなたを奪ったその日から」に出演する阿部亮平さん。多忙な中でのセリフの覚え方や俳優としての心がけについて語った。AERA 2025年4月7日号より。
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――アイドル、俳優、そして朝の情報番組のパーソナリティーと、ジャンルを飛び越えながら多忙な日々を送る阿部亮平さん。どのようにして日々セリフと向き合っているのだろう。
阿部亮平(以下、阿部):台本をいただいたら、撮影に入るかなり前の段階からセリフを頭に入れるようにしています。録音機能も活用していて、自分以外の登場人物のセリフを声に出して読み録音したものと、自分のセリフだけを抜粋したものの両方を使うんです。物語には流れというものがありますし、会話をする相手のセリフを覚えた方がリアクションを取りやすくなるのではないか、と思うからです。
前後の流れを把握したら、自分のセリフだけを抜粋した録音データを活用して覚えるようにしています。こうした覚え方をしている役者さんは結構いらっしゃって、僕も少し前に出演したドラマからそうした覚え方をするようになりました。
――「忙しい日々のなかで、全力で役と向き合う姿勢が素晴らしいですね」。そう伝えると、すぐにこんな答えが返ってきた。
阿部:ドラマの現場に入れば、僕がスケジュール的に忙しいかどうか、ということは関係ないですからね。作品のために早い段階から準備を進めてくださっているスタッフさんがいる。僕ができることがあるのだとしたら、そのすべてを行ったうえで現場に参加したいと思うんです。
「あなたを奪ったその日から」にも言えることですが、周囲に素晴らしい役者さんがいらっしゃるからこそ、おのずとそうなる、というか。自信を持って現場に立てるよう、それまでの時間でできる限りの準備をしていくのが誠意なんじゃないかな、と思っています。
“考える幅”が広がった
――俳優としての仕事を重ねていくなかで、変化や成長を感じることはあるのだろうか。
阿部:お芝居をするうえでは“考える幅”が広がったかな、という気はしています。
お芝居って、できる限りのリアルを追求するわけですが、それだけではないですよね。会話や全体のテンポが大切なときだってある。自分が考えてきたお芝居を、現場でぶつけてみて他の方々に直していただく、という繰り返しがやはり経験値になっているのではないか、と感じています。とはいえ、もっと相手の方の演技をしっかりと受け止めて演技をすることができたら、と思うことはあります。「相手の演技を受け取りにいく」という姿勢は今後も大切にしていきたいと思っています。