カレッタ汐留に入っているテナント

「売り上げが悪いと退店させられる」

 電通は4年前、「カレッタ汐留」を含める本社ビルを売却した。飲食店としても電通だけをあてにして営業できる状況ではない。

「カレッタ汐留の認知度を上げて別のエリアからの来店客を増やして、できればインバウンド訪日客にも来てもらいたいですね」(前出の女性オーナー)

 管理会社は今の状況をどう見ているのか。「カレッタ汐留」地下2階の「汐留横丁」を運営、管理する「favy」の担当者は、今年1月の売上高は116.2%(前年同期比)に伸びているとしたうえでこう回答した。

「どのビル、企業から来店しているかは正確なデータがないので回答しかねます。アクセスは非常に良いのですが、飲食目的の方にとっては新橋エリアの選択肢の広さという意味での魅力には劣ると考えています。その一方で、汐留エリアは落ち着いて(知られた顔に会ってしまうことなく)過ごせる魅力があると思います。会社の同僚など複数人のグループでランチタイムを過ごす際、誰かの好みで1つ店舗に特定されてしまうことなく、取りあえずフードホール(汐留横丁)に入ってからそれぞれ食べたい料理を選ぶというスタイルがユーザーの認知をとれていることも影響しているかと推察します」

 前出の女性オーナーはこう話す。

「あまり売り上げが悪いと運営から言われて退店させられるのよ。実際、そうなったお店もあります。うちはそうならないようにがんばりますよ」

 フジテレビ問題の余波はしばらく続きそうだ。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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