大谷翔平の出現が決定打となった。投打二刀流で注目を集めて結果も残し、移籍1年目でドジャースを世界一に導いた。日米のみならず世界中での知名度も右肩上がり。広告、関連グッズ等の売り上げを考えれば、『稼げる時に……』と考えるのは当然」(在米スポーツライター)

 大谷加入後、日本国内でのドジャース関連商品の売り上げは2000%増とも言われ、今後も更なる増加が予想される。日本開幕戦のスポンサー収入も昨年の韓国・ソウルシリーズの倍以上と言われ、収益も莫大になること予想される。

「海外での公式戦は選手の負担も大きく、帰国後の悪影響も心配される。しかし天文学的な収益が目の前にあるなら、やらない手はない。日本市場は『金のなる木』なので、今後も日本人選手を獲得しつつ日本開幕戦が行われるはず」(スポーツマーケティング会社関係者)

「日本人選手と公式戦開催はワンセット。仮にMLB挑戦後の成績が芳しくなくても、知名度が高い選手が入団してくれれば投資分の回収を見込める。三冠王を獲得した村上宗隆ヤクルト)への注目度が高いのはそういう理由もある」(MLBアジア地区担当スカウト)

 米球界は好景気が続き、メジャー挑戦選手に対してNPB時代の数倍の条件提示が行われるケースが多い。「無謀な投資」と思われるものもあるが、資金回収の方法があるなら納得がいく。

「この流れはバスケット等の他競技にも広がりつつある。例えば、NBAの河村勇輝(グリズリーズ)もブレイクした場合には、日本凱旋試合が組まれるだろう。大谷というジョーカーを持っているドジャースは、今後も数年おきに同様の日本ツアーをするのではないか」(在米スポーツライター)

「MLBでは本拠地という概念が薄れつつある。チケットや飲食代も飛ぶように上がり、庶民が球場へ気軽に足を運べなくなった。古くからのファンはテレビやネット配信で楽しむ方向へシフトしている。公式戦をどこでやろうが関係なくなりつつあるので、球団もビジネスに特化できる」(スポーツマーケティング会社関係者)

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定期的な日本開催は間違いない?