ドジャース・大谷翔平
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 MLBドジャースとカブスの日本開幕戦(東京ドーム)が大変な注目を集めている。日本人選手が多く出場することもあり「国民的行事」と化している。今回の盛況ぶりを踏まえ、今後もMLBの“恒例行事”になる可能性も秘めているという。

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 3月18、19日に開催されるMLB開幕戦・東京シリーズは、今年の日本スポーツ界におけるハイライトの1つになりそうだ。世界一のドジャースには大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希、カブスには鈴木誠也、今永昇太が在籍。成長した姿を見せてくれそうで楽しみは尽きない。

「公式戦と銘打っているが、MLB側が日本市場を最大限に生かすマーケティング試合の位置づけ。2連戦で組まれているので仮に連敗しても大きな痛手にはならない。主力選手には本国開幕を見据えた調整部分もあるが、逆に日本人選手をフルに見られるチャンスでもある」(MLBアジア地区担当スカウト)

 MLB日本開幕戦は2000年にメッツとカブスで初開催された。この時は両球団に日本人選手はいなかったが、その後は2004年に松井秀喜のヤンキースとデビルレイズ(現レイズ)、2008年には松坂大輔、岡島秀樹を擁するレッドソックスとアスレチックス、2012年と19年にはイチロー、菊池雄星(菊池は2019年のみ)が在籍したマリナーズとアスレチックスが対戦している。

 北米以外の地でのMLB開催は珍しいことではない。これまでも韓国、オーストラリア、イギリス、プエルトリコなどで行われてきた。収益を高めるためのMLBのマーケティング戦略ということはよく知られている。

サッカー界では早い時期から世界ツアーの取り組みがされてきた。しかし、これはオフシーズンの親善試合という位置づけ。MLBが公式戦を海外開催するにあたり関係者や本拠地ファンから反対の声も根強い。だが、海外開催による収益は莫大なものがあるので無視できない」(スポーツマーケティング会社関係者)

 米国で「ナショナルパスタイム(国民的娯楽)」と呼ばれる野球(ベースボール)だが、毎年開幕は誰もが待ち焦がれている。自国以外での開催に反対の声があるのは当然だろうが、MLB自体が近年はビジネス傾向が強く仕方ない面は多い。

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日本市場は『金のなる木』