「20代専門転職アドバイザー/ヘッドハンター」の泉澤恵一朗さん

Z世代が最も重視しているのは、自分の「成長」

 ここで強調しておきたいのは、4つのキーワードのうち、どれか1つが欠けてもZ世代は会社を辞めてしまうということです。たとえ、スキルアップなど自分の成長や仕事にやりがいを感じていても、支えてくれる仲間がいないと辞める。あるいは、どんなに素敵な仲間がいて、世の中のためになる仕事であっても、自分自身の成長を感じられなければ辞める。Z世代ではこうした事態がわりと簡単に起こります。

 映えは、少しわかりにくいと思うので説明しておきましょう。映えとは「ビジュアル」のこと。たとえば、オフィスや会社のホームページ、社長や社員のSNSなどです。いわゆる見栄えのことですから、他の[2]成長、[3]やりがい、[4]仲間のような中身に比べると、それほど重要ではないと思えるかもしれません。

 しかし、Z世代はSNSにどっぷり浸かっていて、その影響を大きく受けています。なので、たとえば、自分のSNSに「こんなところで働いているよ」とオフィスの画像をアップしたときに映えるかどうか、つまり、SNSで自慢できるビジュアルかどうか、すごく気にするわけです。映えないオフィスだと、そもそも入社しないということが起こります。会社のホームページや、社長や社員のSNSも、同じように、映えているかどうかが入社の判断材料の一つになります。

 つまり、入社後に[2]成長できて、[3]やりがいがあって、[4]仲間がいても、映えない会社だと、それが不満でモチベーションが下がったり、さっさと辞めて映える会社に移ったりするZ世代も出てくるのです。

 とはいえ、Z世代が会社を辞めるか辞めないかという判断をするとき、やはり「[1]映え、[2]成長、[3]やりがい、[4]仲間」には優先順位があります。最も重視するのは、じつは「[2]成長」なんです。

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