「レギュラーに定着したのは大きい。順調なら今季終了後に年俸調停の権利を得ることができるので、ある程度の契約を勝ち取れる。また2027年のオフにはFA権獲得が見込まれ、カージナルスを含めて獲得競争になる可能性がある」(スポーツマネージメント会社関係者)

 現地ではプロスペクトと呼ばれる有望株的な存在ではなかったが順調に成長。また、WBCの活躍で日本を中心に知名度も爆上がりした。野球選手そして営業的な側面でも各球団が一目置く存在になりつつある。

ドジャース大谷翔平、山本由伸(ドジャース)獲得は日本市場を意識したもの。考えられない条件提示を行なったのも回収の見込みがあるから。ヌートバーは2人に次ぐ存在になれる可能性があるため、今後の年俸は高騰するかもしれない」(スポーツマネージメント会社関係者)

 ヌートバーは「いつの日かNPBでプレーできれば嬉しい」と語っているが、早いタイミングでのNPB入りの可能性は低いのは間違いないだろう。

「(現在のタイミングでの来日を望むなら)NPB球団は獲得のために年俸10億円程度は用意する必要があるのではないか。そうなってくると、爆発的な人気あってもグラウンド上での高いパフォーマンスも必要とされる。求められるのは打率.330、35本塁打、100打点以上のスーパーな活躍。そうなるとヌートバー獲得は現実的ではない」(MLBアジア地区担当スカウト)

 またルーツは日本にもあるとはいえ生粋の米国人。「(大谷翔平や山本由伸との)対戦が待ちきれないし楽しみ。できれば友達を相手にトップに立ちたいね」と語っているように、MLBで頂点に立つことが一番の夢だ。

「WBCでは日本が世界一になったが、トータルで考えれば米国がトップなのは揺るがない。ワールドチャンピオンとなりチャンピオンリングを手に入れるのが野球人にとって最大の名誉。ヌートバーが目指すところがそこなのは間違いない」(在米スポーツライター)

 日本名は榎田達治、WBC時にはメンバーが「たっちゃん」Tシャツを着用したことでも話題となった。大会後には日本企業のCM依頼も殺到、メガネ姿のお茶目な広告看板を街中で見かける。NPBで早く見たいという声も決して少なくないが……。

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仮に早い段階でNPB入りあるとしたら…