メイン画像
この記事の写真をすべて見る

「立春大寒波」の影響で、北陸地方は各地で雪が降っており、平地でも大雪となっている所があります。このあと、10日(月)にかけて強弱を繰り返しながら冬型が続き、強い寒気が居座るでしょう。JPCZが北陸地方を直撃する期間もあり、局地的な大雪に警戒が必要です。車両の立ち往生やスリップ事故などによる交通障害や電線や樹木への着雪による停電や倒木、路面凍結などに注意・警戒が必要です。

平地でもすでに大雪の所も 富山など積雪50センチ超

画像A

北陸地方は、昨日4日(火)から雪が強まり、平地でも大雪となっている所があります。17時現在の積雪は富山県の富山で52センチ、砺波・魚津で55センチ、新潟県の高田で60センチなど、富山県や新潟県上越を中心に平地でも積雪が50センチを超えている所があります。

6日までの見通し JPCZが北陸を直撃 平地でも積雪急増のおそれ

画像B

このあとも、北陸の上空に強い寒気が居座ります。6日(木)にかけては、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が北陸地方を指向する傾向で、JPCZの強い雪雲がかかる地域では積雪が急増しそうです。

今夜5日(水)夜は、JPCZが石川県~富山県~新潟県上越地方付近を指向するでしょう。1時間に5センチ以上の短時間に強い雪が降り、局地的には1時間に10センチ以上のドカ雪のおそれもあります。車両の立ち往生などが発生しやすくなるため、不要不急の車でのお出かけは避けた方がよさそうです。

6日(木)になると、JPCZは能登半島沖~新潟県付近まで北上するでしょう。山間部だけでなく、平地でも短時間の強い雪や大雪のおそれがあります。また、JPCZの南側では西寄りの風となるでしょう。福井県の奥越地方や富山県でも降雪量が多くなる所がありそうです。

7日以降の見通し 7日後半から再び冬型強まる 雪の降り方の傾向や特徴は

画像C

7日(金)は、日本海を低気圧が進み、冬型が一時的に緩むでしょう。北陸地方の平地では一時的に雨やみぞれに変わる所もありそうです。

ただ、冬型が緩む時間は短く、7日(金)午後には再び冬型の気圧配置が強まって、北陸地方の上空に強い寒気が流れ込むでしょう。特に7日(金)夜はJPCZが再び北陸地方を指向し、平地でも積雪の急増のおそれがあります。

8日(土)になると、JPCZは近畿北部や山陰まで南下し、北陸地方は山雪型に変わるでしょう。このため、山間部を中心に降雪量が多くなる形で、平地の降雪のピークは過ぎそうです。ただ、ピークは過ぎるといっても雪は断続的に降りますので、積雪量としてはさらに増えるおそれがあります。

8日(土)までに平地でも最深積雪としては1メートルを超える所も出てきそうです。通勤などでの車の使用は慎重に判断していただき、場合によっては徒歩通勤やリモートワークへの切り替えなどを検討した方がよさそうです。

予想降雪量 新潟の山沿いで24時間で100センチ超 72時間降雪量は平地でも100センチ超の所も

画像D

北陸地方では6日(木)にかけて平地も含めて警報級の大雪となる所があるでしょう。6日18時までの24時間降雪量は、新潟県の山沿いで多い所100センチのほか、平地でもJPCZの指向する富山県や新潟県で多い所40~50センチと、大雪となるおそれがあります。

7日18時までの24時間降雪量は、一時的に冬型が緩む時間があり、降雪量がやや少なくなっていますが、それでも新潟県の平地で多い所40センチ、富山県以西の三県の平地で多い所20センチの降雪が予想されます。

その後、冬型が再び強まるため、7日18時~8日18時の降雪量は富山県の平地で多い所40センチ、山間部は4県とも多い所で70センチと、降雪量が増えるでしょう。8日18時までの72時間降雪量は新潟を中心に平地でも多い所で100センチを超えそうです。

大雪や短時間の強い雪による交通障害に注意・警戒し、強い雪による視程障害、電線や樹木への着雪、なだれ、路面凍結などに注意してください。

寒波いつまで

画像E

9日(日)~10日(月)にかけても冬型の気圧配置が続き、北陸地方の平地でも雪になる目安の寒気が居座るでしょう。現段階では明瞭なJPCZが北陸地方を指向する予想はなく、極端な大雪にはならないですが、平地でも断続的に雪が降りやすいでしょう。また、上空1500メートル付近でマイナス9度の線が北陸付近にかかる予想です。平地では水分の多い湿った雪となる可能性があります。このため、積もった雪が重くなり、倒木やビニールハウスなどの農業施設の倒壊のリスクが高まります。令和6年能登半島地震で損傷を受けた家屋では、積雪の重みによる倒壊にも注意が必要です。

11日(火・祝)になると、冬型が緩み、一時的に晴れ間も出る可能性がありますので、11日(火・祝)には一連の「立春寒波」はひと段落付きそうです。

寒波による影響

画像F

今回の寒波は長期間に渡り、JPCZが北陸地方を指向する時間もあるため、平地でも大雪や短時間に強い雪のおそれがあります。大雪による高速道路などの通行止めや車両の立ち往生の発生するおそれがあり、鉄道や空の便も大幅に乱れるおそれがあります。出張など移動などを予定されていた方は最新の気象情報や交通情報を確認し、場合によっては計画の中止や日程の変更を検討してください。

また、通勤などでの車の使用も慎重に判断してください。路面凍結による事故のリスクや、車両の立ち往生や渋滞により、いつもより時間がかかることがありそうです。特に近距離通勤の方は徒歩での通勤を検討した方が良い場合もありそうです。

一方で、7日(金)以降は、一時的に上空の寒気が緩むタイミングがあり、平地では湿った雪やみぞれの降る時間がありそうです。これまでに降った雪が水分を含んで重くなることで、倒木やビニールハウスなどの倒壊のリスクがあります。令和6年能登半島地震の被災地では、損傷を受けた家屋の倒壊のおそれもあります。また、倒木や湿った雪による電線の切断により、停電の発生するおそれがあります。モバイルバッテリーや懐中電灯の用意、停電時でも暖を取れる暖房器具やカイロなど、停電対策も行った方が良いでしょう。

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼