行楽シーズンが到来しましたが、旅先の温泉はもちろん、スーパー銭湯でゆったり過ごす人も最近多くなっていますね。
数字の語呂合わせから、毎月26日は「風呂の日」、そして10月10日は「銭湯の日」なのですが、こうした日は様々なイベントや料金割引サービスを実施しているので、お風呂好きは見逃せません。
なかでも、サウナ設備を備えたスーパー銭湯やスパで話題になっているのが「熱波師(ねっぱし)」です。そこで今回は、サウナブーム再燃の火つけ役ともいわれる「熱波師」について調べてみました。

明日は「風呂(26)の日」。リフレッシュがてら近くの銭湯に行ってみませんか
明日は「風呂(26)の日」。リフレッシュがてら近くの銭湯に行ってみませんか
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サウナ発祥の地・フィンランドの入浴法

日中の気温が氷点下を大幅に下まわる寒冷地に住むフィンランド人にとって、サウナはなくてはならないもの。
一説によると約540万の人口に対し、サウナを設置した施設&住居数は200万戸を超えるといわれているのですが、「低温サウナ」で仲間と一緒にハンバーガーを食べてのんびり過ごす光景もフィンランドでは珍しくなく、サウナはまるでリビングのような存在なのかもしれません。
さらに日本のサウナに併設された水風呂は、だいたい17〜20度の水温ですが、フィンランドでは積雪の上に寝転がってクールダウンしたり、氷の張った湖や川の一部に穴を開け、その中に「浸かる」ことも“へっちゃら”というから驚きです。この「温冷交代浴」は、サウナで温まった体をクールダウンするレベルではなく、80度のサウナから一気にマイナス20度の水に浸かるわけですから、体が凍りつくような荒業といえます。
でも、フィンランドの人はこう言います。「急激な体温変化によってアドレナリンとエンドルフィンが脳内に分泌される。その効果でストレスや疲労感も吹き飛ぶし、活力がわいてくる……」と。これはまさしく国土の3分の1が北極圏にある北欧人らしい発想といえます。

フィンランドのサウナ小屋。冬は目の前の川が氷結
フィンランドのサウナ小屋。冬は目の前の川が氷結

アロマオイル熱波 + 白樺の枝を束ねた「ヴァスタ」で代謝UP!

そんなフィンランドのサウナ入浴法で有名なのが「ロウリュ(löyly)」です。
「ロウリュ=サウナ熱波」とは、サウナ室に置かれたサウナストーンにアロマオイルやハーブを入れた水をかけ、高温の水蒸気を室内に充満させるもの。サウナ室内の温度が70〜80度でも、「ロウリュ」によって体感温度は一気に100度に! こうした入浴法であればこそ、雪の上に寝転んだり、マイナス20度の水に浸かれるのですね。
また、サウナで体を限界まで温めている時に、フィンランドでは白樺の枝を束ねた「ヴァスタ」で体をたたきます。サウナにはもともと「汗をかく=老廃物を排出」の効果がありますが、「ヴァスタ」で皮膚に刺激を与えることで代謝の活性化はもちろん、殺菌、保湿、肌の引き締め、肌のハリを保つ効果も得られるそう。

フィンランドのサウナに必ずある、白樺の枝を束ねた「ヴァスタ」
フィンランドのサウナに必ずある、白樺の枝を束ねた「ヴァスタ」

日本でもサウナブーム再燃! 話題の「熱波師」とは?

そして、「ロウリュ」とよく似たサウナ入浴法が、現在日本でも大流行していることをご存じですか?
その名も「熱波師(ねっぱし)」。別名「熱波の伝道師」とも呼ばれる熱波師が、決まった時間にサウナ室にお目見えし、大型タオルで高温の蒸気をあおぐサービスは、テレビなどても数多く取り上げられています(熱波師は施設の従業員がほとんどですが、最近ではフリーランスの熱波師も登場)。
その加熱ぶりを象徴するのが、日本サウナ熱波協会主催の「熱波甲子園」なる競技会なのですが、全国から熱波師が集う「熱波甲子園」で実施されている競技とは……
① 「熱波タイフーン」
風速計を持った審査員に、競技者が熱波を送り、その数値を競う
② 「熱波ボウリング」
サウナの一段目に、2cmほど水が入ったペットボトルをボウリングのピン状に並べ、熱波で何本倒せるかを競う
③ 「熱波入試」
高温のサウナ室内で38問のクイズに答え、知力と体力を競う
どの競技も“熱い”情熱なくして勝ち抜くことはできそうもありません。そして、心血注いで熱波の道を極める「熱波師」たちに、実は身近なスーパー銭湯で会うことができるのです。
※「熱波師」で検索すると様々な情報がヒットします。興味のある人はぜひ調べてみてください。
サウナ愛好家や熱波師ファンの間では、「◯◯さんの生み出す熱波は、とてもエレガント」「◯◯さんの熱波だと、汗の出方が違う」と様々な感想が寄せられているよう。中には「熱波甲子園」で20本のペットボトルを熱波で見事なぎ倒した熱波師に会える銭湯をめざし、遠くから通うコアなファンも多いというから驚きですね。

スーパー銭湯で活躍する、話題の熱波師(イメージ)
スーパー銭湯で活躍する、話題の熱波師(イメージ)

入浴だけじゃない! 趣向を凝らしたオプションも魅力

昔から日本人の生活の一部として親しまれてきた銭湯ですが、最近では遠出をしなくても旅行気分が味わえるスーパー銭湯やスパなどの人気も高く、「一日の終わりにさっと汗を流す」という入浴スタイルから、お風呂の楽しみ方も多様化してきています。
そんな銭湯(スーパー&スパ)ですが、最近ではライバルが多くなった背景もあり、天然温泉、露天風呂、サウナ、ミストサウナ、炭酸泉、足湯、電気風呂、寝湯、ジャクジー、岩盤浴といった入浴施設の充実度はもちろん、オプションとして浴衣レンタル、エステ、ボディケア、韓国式あかすり、ヨガ・ピラティス、TVつきリクライナー配置の仮眠室……といった具合に、充実したラインナップで集客を競い合っています。利用する側にとってはうれしい限りですね。
── 明日「26日」は「風呂の日」。来月10月10日は「銭湯の日」。
最近では、先述した「ロウリュ=サウナ熱波」を実施するスーパー銭湯も非常に多くなり、様々な趣向を凝らしているようです。熱く焼いたサウナストーンにアロマオイルを垂らす「アロマ熱波」は、アロマに関心のない男性はもちろん、あまりサウナを利用しない女性にもおすすめ。この機会に、熱波旋風による癒し効果を体感して、リフレッシュしてみては。

「女子会はスーパー銭湯で!」というケースも急増中!
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