「見える資産」を増やしておくことも重要だという。
「夫に不動産に興味を持たせて不動産投資をさせるということも、私はアドバイスしています。たまに『夫が勝手に不動産を買ったんですよ』と不満を漏らす妻もいるんですが、私が『いやいや、それってラッキーなのよ。半分はあなたの財産よ』って返すと、みなさん『そっかー』って納得します(笑)。動かない資産だからヘタな預貯金よりもいいんです。わかりやすいですから。条件が整えば複数の家を住宅ローンで購入できるので、預貯金を夫に使われそうと思ったら家を買わせて財産を守る方法も。家が2軒あると夫婦で分けられるからいいですよ」
実際に2つの家を離婚のときに「大きい家」と「小さい家」で分けた夫婦も。DVをしたほうが小さい家になったという。
高級ワインのコレクションも
「浮気しようが暴力をふるおうが『財産分与は半分』が基本ルールですが、その夫婦の場合は慰謝料を払わない代わりに、家の大小で解決しました」
不動産だけでなくコレクションも見える資産として夫婦の共有財産になると岡野さんは言う。
「夫が高級ワインのコレクションに散財するといった不満を口にする人もいましたが、実際には預貯金と比べると隠しづらい。こういう資産を増やしておくのも、離婚時には平等に分けられるので実はいいんです」
離婚が射程範囲に見えてきたとき、財産を使い込む人もいるという。とはいえ、意図的に財産が散財されたことを調停や裁判で指摘して、不当利益として、そのぶんの補償を求めることはできる。