中居正広さんの「性加害問題」とフジテレビの対応が、海外メディアでも報じられている。2年前に故ジャニー喜多川氏による性加害が明るみに出た後も、「日本の芸能界の体質は変わっていなかった」と厳しい目が向けられている。
【実際の報道】「性加害問題」「性的暴行疑惑」と踏み込んで報じる海外メディア
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海外メディアは「性加害問題」として取り上げ
海外メディアは、国内メディアよりも踏み込んだ表現で強い調子で、トラブルという表現は使わず、「性加害問題(sexual assault)」として今回の事案を取り上げている。
<中居正広は性的暴行疑惑と、それをフジテレビが隠ぺいしてきたと報道されたことによって引退した。このスキャンダルは、日本の芸能界で繰り返されてきた性的暴行事件の一部である>(欧州euro news、1月23日)
香港South China Morning Postは21日付次のように伝えた。
<中居とフジテレビはこの件を必死で隠そうとしたが、失敗した>
「沈黙」する体質変わらず
海外メディアの多くは、旧ジャニーズ問題と、「中居トラブル」との間には2つの類似点があるとみている。1つ目は、性的暴行疑惑についてテレビ局が口を閉ざしてきた「沈黙の掟」(英The Guardian)だ。
ジャニー喜多川氏の性加害問題を世に知らしめたのは、日本メディアではなく英BBCだった。BBCのドキュメンタリー「Predator: The Secret Scandal of J-Pop(J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル)」が23年3月に放映されると、世界に衝撃を与えた。事態が大きく動き出したのは、ドキュメンタリーの報道後だ。
<同年6月、フジテレビは中居氏の事件を初めて知ったが、問題を公表しないことを決めたと、同局の港浩一社長は記者会見で述べた>(英Financial Times)
つまり、フジテレビは中居さんの女性トラブルを旧ジャニーズ問題で揺れるさなかに把握したが、その後も番組で中居さんを起用し続けた。
週刊文春の記事を引用
同局スタッフが関与した可能性について、「週刊文春」の記事を、「フジテレビは中居のようなスターをよろこばせるために、長年、同局の女性アナウンサーを利用してきた」(ABC)などと引用した海外メディアも複数あった。
1月17日の会見を受け、フジテレビの内部調査への批判も少なくない。
<あまりにも透明性を欠いていた。フジテレビは中居問題への不適切な対応と内部不正の疑惑で激しい批判に直面している>(印Times of India)。
<中居のスキャンダルは日本の芸能界とテレビ業界の共謀と沈黙の体質に改めて疑問を投げかけた>(印The Economic Times)
2つ目の類似点は「外圧」だ。