まず自分の得意な認知スタイルを自己認識することが大切です。これまでに新しい知識を入れるときに、あなたはどのような習得方法を試してきたでしょうか? 思い出してみましょう。それが参考になります。
たとえば学生時代の試験勉強はどのようにしていましたか? 一人で教科書を読み込むスタイルが合っていたのならば視覚型かもしれませんし、わからないところを友達と教え合っていたのなら聴覚型かもしれません。まずは問題集を解くほうが合っていたという場合には体得型かもしれません。
また、アルバイトや仕事で、新しいやり方を覚えるときはどうでしたか? 仕事を教えてくれる人がマニュアルを示してくれた方がわかりやすかった場合は視覚型でしょうし、口頭指示が入りやすければ聴覚型、手本を見せてもらって実際にやってみながら習得していったのなら体得型かもしれません。
次にその認知スタイルに応じた情報入力の方法を考えましょう。
ノリさんのような聴覚型の人は、メールの内容を理解するために、周囲の同僚と口頭で確認する習慣をつけましょう。たとえば、重要なメールを受け取った際には、同僚に「このメールの内容って、つまりこういうことだよね?」と確認することで、視覚情報だけでなく聴覚情報も活用して理解を深めます。
また、メールを読む際には他の作業を中断し、集中して読むことで、内容が頭に入りやすくなります。さらに、メールの内容を箇条書きにしてメモを取ることで、重要なポイントを整理しやすくなります。これは、資料や本、新聞などを読む場合にも有効です。きれいに書く必要はないので、頭の整理のためと割り切って、このことに時間をかけすぎないことも大事です。これらを実行した結果、ノリさんは重要な情報を見逃すことも減りました。
繰り返しになりますが、視覚型の人は、口頭指示よりはメールやメモ、文書のような目から入る情報入力の方法を採用しましょう。電話を受けながらメモをとったり、講義を受けながら理解したことをノートにまとめるとうまくいきます。
体得型の人は、実際に手を動かしながら仕事を覚えたり、つまずいたらその都度尋ねていくほうが向いています。体験してから本を読んだり、教わったりするほうがピンと来るのです。
自分が得意とする認知スタイルを意識して発揮させて使うようにすることで、目の前の情報が格段に受け取りやすくなるはずです。