まず、ヒロミさん本人に現在のメール処理の実情を自分で観察し、客観視してもらいました。

 ヒロミさんはバスや電車の移動中にスマホから会社用のメールチェックをすることが多くありました。ちょっとした隙間時間にチェックするので、すぐに返信できるような内容のメールでも、電車を降りるタイミングや歩きながらのときなどは「見るだけで、返信はまた後で」ということが多く、「既読」状態のまましばらく置かれます。実はこれが落とし穴でした。

 再び今度はパソコンからメールチェックするときに、先ほど隙間時間で一度読んだメールをまた読み直して返事を書くという無駄な手間をかけていることに気づきました。また、返信まで少し時間のかかるメールについては、「後でやろう」と思っているうちに、大量のメールに埋もれていき、忘れてしまうというパターンがあることもわかりました。

 次に決めたのは、メール処理のルールです。ヒロミさんは、5分以上の時間がないときにはあえてメールチェックをしないことにしました。また、3分以内で返信できるものはすぐに返信するようにしました。

 さらに、返信するまでに複雑な作業が必要で時間がかかりそうなメールにはフラグをつけて、スケジュール帳に「やることリスト」として記入して忘れないようにしました。この結果、メール処理のミスが軽減されたのです。

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インプットの得意不得意