そしてこれをきっかけに、自民党は社会党や新党さきがけと連立を組むことになった。
かつて赤坂にあった料亭「佳境亭」の女将の故・山上磨智子氏から、当時の「裏事情」を教えてもらったことがある。
「亀井(静香)先生が、『ちょっと店を使わせくれ』と一晩借り切ってくださったんですよ。お店の鍵を渡したら、伊東秀子さんとかがいらっしゃって。私は友達とキャピトル東急で一晩泊まり、朝起きてテレビを見たら、連立ができちゃっていたの」
石破氏の強みとは何か
もちろん石破政権にはこれほどのダイナミックさは期待できない。せいぜい国民民主党には「178万円」、日本維新の会には「教育の無償化」や「給食費無償化」をぶら下げて、野党共闘を阻止するのみだろう。
しかしそれによって石破首相は巧妙に野党を分断させ、比較第一党の優位性を保持しようとしている。石破政権に「弱者の強み」を見た思いがした。
(政治ジャーナリスト・安積明子)