米国では追加公演も即完売
「23年には全米7都市を巡る全て英語でのトークライブツアーを開催しましたが、現地日本語メディアによると、うち5都市でチケットが完売したそうです。初日となったニューヨーク公演では、400席を超える会場が満席。渡辺は『最悪と最高のデートは?』など、私的な質問にユーモアを交えて英語で答えたり、観客とステージでジェスチャーゲームやダンスゲームに挑戦し、笑い声が絶えなかったそうです。さらに昨年10月にも、ニューヨークで自身初となる全編英語での1時間のスタンダップライブを開催したのですが、こちらもチケットは即完売で、追加公演のチケットも即完売。840人を動員したといいます」(同)
カタコトの英語でもしっかり笑いにつなげているのは、さすが人気芸人といったところ。民放バラエティー制作スタッフはこう述べる。
「ライブでは、現地の人も日本人も笑ってくれ、お笑いの“間”は世界共通だと思ったインタビューで語っていました。アメリカでもコント番組やコメディー映画に出たいそうで、今後は本格的な“しゃべるお笑い”にフォーカスしていくと宣言していました。日本ではファッションもメークもオシャレで個性的で、演技もできるマルチタレントという印象が強い渡辺ですが、海外でもしっかりとお笑いに取り組んでいる。海外で芸人として活躍する場合、どうしても言語のハードルが高く、成功しにくいのも確かですが、渡辺はその壁を打ち破る存在になり得るかもしれません」
元「週刊SPA!」副編集長で芸能デスクの田辺健二氏は、渡辺の米国進出についてこう述べる。
「ブレークのきっかけとなった『ビヨンセのモノマネ』も口パクのサイレントでしたし、もともと非言語で笑わせることを得意としているのが、直美さんです。しかし、アメリカに拠点を移すと『英語でちゃんとネタをすること』にこだわり、日本で圧倒的な認知度を持ちながらも無名の新人として新たなステージを模索し続けているのは本当にすごいことだと思います。『売れるまで帰らない』という思いでニューヨークにマンションの一室を購入する一方で、ちょくちょく日本に帰ってきてバラエティーで仕事をするというバランス感覚の良さも直美さんならでは。移住前よりテレビ露出は当然減りましたが、その分芸人としてのスペシャル感は増しましたし、いずれアメリカで成功して日本に逆輸入される期待を感じさせるという意味でも、技ありなデュアルライフだと思います」
アメリカを拠点に道なき道を突き進む渡辺。そのマルチな才能を武器に、新しい女性コメディアン像を築いてほしい。
(丸山ひろし)