MIOさん(撮影/写真映像部・上田泰世)

 帰国後、看護師資格を取得したMIOさん。IQ130以上が入会条件となる「MENSA」の会員となったのもこのころだ。「ほかに何か取れる資格はあったっけ」という気持ちで受けた入会試験だった。もっともMIOさんは、高校時代に受けた知能検査ですでに自分が「知能検査が得意」であることは知っていたという。

 さらにラジオ番組「シンクロのシティ」(TOKYO FM)に抜擢される機会にも恵まれた。この仕事が結果的に彼女にとって人生の“リハビリ”となった。

「ゲストのタレントさんや作家さんに話を聞くことも多かったのですが、最初は失敗続きでした。幼少期からなんでも調べすぎる性質なので、ゲストのブログを10年分読んだり、著作を全部読んだりして、当日にはその人への疑問がなにもない状態になっているんです。『こういうことですよね?』と聞いて『はい、その通りです』と言われて会話が終わる……。話を引き出せないし、毎日朝まで予習に追われるという状況でした。そこで言われたのが『何で何で坊やになりなさい』という言葉。調べなくていいから、素直に疑問に思ったことを聞くようにしなさいと。私としては驚きでしたが、仕事をするなかで『ラジオの仕事は、正解や答えを伝えることではない。人間同士のやりとりの中で、感情を伝え合い、分かち合うことなんだ。その結果、リスナーさんにも何かを感じてもらうことなんだ』とだんだんわかっていきました。パーソナリティーの堀内貴之さんをはじめ、スタッフのみんなが愛だけで生きてる、リスナーさんたちまで本当に温かい現場でした」

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30年間は楽しい“ふり”をしてきた