表で紹介した日本株の高配当ETFの中で純資産総額1432億円と最も大きいのが「NEXT FUNDS野村日本株高配当70連動型上場投信」だ。

 こちらは今期予想配当利回りの高い70銘柄を組み入れる方式。「野村日本株高配当70」という指数に連動する。

「このETFは過去3年で経常利益が一度でもマイナスになった銘柄は除外します。予想配当がゼロになった銘柄は期中に除外して、他の銘柄で補完する仕組みです」

 高配当株ETFは、一定のルールに基づき組み入れ銘柄が選ばれる。何らかの事情で株価が大きく下がり、結果的に配当利回りが高くなっているという銘柄もありそうだ。

 もし業績悪化で株価が低迷していたら、指数全体の足を引っ張りそうだし、減配や無配のリスクもありそう。高配当系の指数は業績をどの程度、考慮している?

「直接的には業績面を考慮していません。

ただ『日経平均高配当株50指数』では3期連続で赤字に陥っている企業を除外していますし、『MSCIジャパン高配当利回り指数』では配当の継続性や財務体質が考慮されるなど、何らかのフィルターをかけてスクリーニングを行っています。

運用側も当然そうしたリスクは知っていますので、できるだけ問題のある銘柄を組み入れないように工夫しています」

 配当の継続性といえば「One ETF高配当日本株」が連動対象としているのが「S&P/JPX配当貴族指数」。

 10年以上、増配または安定配当を続けている銘柄を中心に構成されている。取引価格が約3万円で1口単位=最低投資金額は約3万円である。

 純資産総額は369億円(2024年8月21日現在)で、一定の支持はあるようだ。

 日本株の高配当ETFを選ぶ際、やはり分配金利回りに目が行くと思うが、棟田さんは流動性もチェックしてほしいという。

板情報も見てみよう

「取引が成立しやすいことも、東証ETFでは大事なポイントです。『板情報』にも目を向け、板が厚い(注文数量が多い)かどうか確認しましょう。

板が薄いと、自分が希望した価格で取引が成立しない可能性が高まります」

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