ジャズやロックなど、コンテンポラリー音楽の分野で最高峰といわれる米国バークリー音楽大学。そんな超名門大学に、12歳で合格し、正規の学生として最年少で同大学に通う現役の大学生ジャズピアニスト古里愛さん(13歳)。バークリーを目指したきっかけや、2年で合格を実現させた方法とは? 大学での最初のセメスター(学期)を終えた古里さんに話を聞きました。
【写真】情熱的に演奏する古里愛さんのカットはこちら(全13枚)人間はみんなピアノを弾くものだと思っていた
――ピアノとの出合いは?
私の母が東京・町田市でピアノバーを経営しているんです。毎日のようにミュージシャンが出入りしてライブ演奏をするような環境で、赤ちゃんのころからさまざまな音楽に触れて育ちました。お店を訪れる人は、ピアノを演奏する人ばかりだったので、私は小さいころ、人間は全員ピアノを弾くものだと思っていたんです(笑)。
だから、3歳でピアノを習い始めたのもごく自然な流れでした。はじめはクラシックの先生についたんですが、練習したぶん上達するのがうれしくて、どんどん夢中になっていきました。
――9歳のときに、クラシックからジャズに転向されました。ジャズの魅力ってどんなところでしょうか。
演奏する人やそのときの気分、気になっているもの……何かひとつ要素が変わっただけで、それが演奏に反映されて 毎回音楽が変わること!
演奏家が集まって即興で演奏する“セッション”では、自分が伝えたいことを音楽で伝えながら、相手が伝えていることに耳を傾けて、それをまた短い時間で自分の演奏に反映させて……。まさに、“音楽で会話する”という感じ。ジャズの難しいところでもあり、一番の魅力でもありますね。
映画に触発され、「作曲してくるね」
――ご自身で作曲もされているんですよね。
作曲をしたのは、1年くらい前からです。ジャズを題材にした映画『BLUE GIANT』を観て、自分でも作ってみたくなって。家族に「ちょっと作曲してくるね」と言って、1日部屋にこもって、夜になって「できたよ〜」と(笑)。その曲が、“More to Come”という曲で、ファーストアルバムにも入っています。
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