「磽腴」「膈噎」「尸る」――。みなさんはこれらの字が読めますか。はい、記者はひとつも読めませんでした。これは日本漢字能力検定「1級」の試験で出された問題です。こんな難読漢字をすらすら読みこなすのが、宮城県利府町に住む中学3年生、角鹿脩斗(つのか・しゅうと)さん。角鹿さんは、合格率が8%に満たない難関の1級に中1で初めて合格して以来、中2、中3とチャレンジを続け、計5回も合格しています。どんな勉強をしてきたのでしょうか。お父さんと一緒にお話を伺いました。

MENU 一字一字でなく「熟語」として覚える  好きな漢字は「魚偏」の漢字

一字一字でなく「熟語」として覚える

――漢検は年3回実施されていますが、角鹿さんは中1で漢検1級に初挑戦して以来、5回連続で合格されています。2023年度の試験では1級の最年少合格者として漢検協会から「特別賞」を贈られたそうですが、どんなきっかけで漢検を受けるようになったのですか。

お父さん 私と妻が教師ということもあり、脩斗は幼稚園のころから親に漢字の読み方を聞くような子どもでした。漢字は幼稚園のころから、スケッチブックに「赤」なら赤クレヨンで、「青」なら青いクレヨンで書いて遊んでいました。文字そのものに魅力を感じていたようです。

脩斗さん 初めて漢検を受けたのは小2のときです。親の勧めで5級を受けて合格しました。テレビのクイズ番組で難読漢字が出ているのを見て、自分もできるんじゃないかとさらに意欲が湧いて、小4で2級に合格。それから中1で準1級、1級とチャレンジして合格しました。

――漢検は2級までは常用漢字から出題されますが、1級にもなると故事成語やことわざへの深い理解が求められると言われます。1級は対象漢字6000字から出題されるそうですが、日常生活では使わない難解な漢字をどうやって覚えたのですか。

脩斗さん 漢字には2文字以上を結合した「熟語」として頻繁に使われる漢字と、「熟語」が少ない漢字があるんです。漢検では熟語で使われる漢字がよく出題される傾向にあるので、熟語を優先的に覚えました。

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柿崎明子
ライター 柿崎明子
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