好きなことに目いっぱい打ち込み、未来にはばたこうとしているキッズを応援する連載「はばたけ!スーパーキッズ」。今回登場するのは、11歳のバイオリニストのHIMARIさん(東京都出身)。3歳のころに始めたバイオリンで頭角を現し、国内外の出場した42のコンクールすべてで1位に輝いて、アメリカの名門音楽大学に最年少で合格した。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」(朝日新聞出版)10月号から紹介します。
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3歳のころ、祖母から、母が幼いときに使っていたバイオリンを渡された。おもちゃみたいな感覚で弾くうちに、どんどん上達し、気づけば世界へ飛び出した。原動力は、「あの曲を弾いてみたい」「この人と演奏したい」という思いだ。
これまで出場した国内外の42のコンクールすべてで1位。高い技術と豊かな表現力を、名立たる専門家たちが絶賛する。でも、本人は、1位をとることより、「無理かもと思っていた曲が弾けるようになるのがうれしいんです」という。
そんな思いがはじけたのが、世界最難関との呼び声が高いアメリカ・カーティス音楽院を受験したとき。わずか1カ月半で14曲もの課題曲をマスターしなければならず、合格は無理だと、本人も周囲も思っていた。それでも、翌年への経験のつもりで練習を始めた。
1曲、また1曲と課題をクリアして、「この曲も弾けた!」と喜びを重ねるうちに、心の中に火がついた。夢中になって取り組んだ先に「最年少合格」という結果が待っていた。 「一人で弾くのもいいけれど、オーケストラのなかで弾けるのがとっても楽しい。いちばんうれしいのは、憧れの指揮者や演奏家の先生方と一緒に弾けるときです」と瞳を輝かせるHIMARIさん。世界最高レベルの環境で、誰と、どんな演奏が経験できるのか─。新たな挑戦が始まった。
(取材・文/ジュニアエラ編集部)
ジュニアエラ編集部