ロックTシャツは「上品さや清潔感とは対極」という見方もされる(写真はイメージ/GettyImages)
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「AERA dot.」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は12月17日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【写真】「ダサい」なんて言わせない12000円のロックT

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 青春の象徴ともいえる「ロックTシャツ」を“オトナ”が着ることについて、これまで度々論争が引き起こされてきた。いい歳をした大人が着るのは「だらしない」「品がない」などと眉をひそめる人も少なくない中、レコード会社大手のユニバーサルミュージックは新たにアパレルブランドを立ち上げ、「普段使いしても恥ずかしくないロックT」を発売するという。音楽業界の雄が、ファッション界に一石を投じる“本気のロックT”で勝負に出る理由とは。
 

 今年6月、ロックTについて取り上げた6年前の記事が、突如炎上した。

<アラフォーのファッションで、1番大切なのが清潔感と品。ロックを聴いたり、バンドのファンでいることが悪いと言っているわけではありませんが、上品さや清潔感とは対極の位置にあるロックTシャツは、10代~せいぜい20代前半までしか許されないアイテムです。精神的に大人になり切れていないのかな、常識がなくて変わった人なのかな、と思われたくなければ、部屋着やパジャマにするのもやめて、こっそり思い出とともにしまうか、断捨離リストへ入れてください>(「OTONA SALONE」、2018年8月)

 この記事にネット上で賛否両論渦巻く中、歌手の荻野目洋子が同15日に投稿したXのポストは、多くの人の共感を集めた。

<何ならおばあちゃんになっても着ていたい。~中略~ 他人の事を批判する前にまず自分を幸せに出来る人間でいようと思うし楽しめる大人でありたい。服にはそういう力がある。「パワァーーー!!」>

 自分が好きな服を堂々と着ればいいというメッセージは、まったくもって正論だ。しかし、ロックTに関しては、「そうは言っても……」と気後れする人は少なくない。

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ヴィンテージ品が数十万円で取引